今年1月にフィアットはクライスラーグループの全株式を取得して完全子会社化、社名を「FCA」(フィアットクライスラー オートモービルズ)に改めました。
遡ることクライスラー社は1925年に発足、1970年代後半に深刻な経営危機に陥った後、1987年に復活。
当時ルノー傘下で「JEEP」ブランドを所有していたAMC(アメリカン・モーターズ)の買収が奏功して1990年代中盤に2代目「チェロキー」が予想外の大ヒット。
1998年にダイムラー・ベンツと合併してダイムラークライスラー・AGとなるも業績低迷により2007年に合併を解消、翌2008年に発生したリーマンショックのあおりで2009年にあえなく倒産。
その後、クライスラーグループは米/カナダ両政府からの公的資金やイタリアのフィアット社からの技術/開発支援を得て経営再建を進め、今年1月にフィアットの正式子会社となった次第。
フィアットとクライスラーを率いるセルジオ・マルキオーネCEOは「これでグローバルな自動車メーカーを目指す基礎が確立出来た」としています。
ちなみに米国に於けるクライスラーの3月度新車販売は19.4万台(同+13%)で、市場シェアは12.6%、今年1月からの累計では47.6万台(+11.1%)を販売。
米シェアでは首位のGM(16.7%)、2位のフォード(15.8%)、3位のトヨタ(14.0%)に続く4位の位置付け。
一方、フィアットの欧州に於ける2月度新車販売は5.9万台(+5.8%)で、市場シェアは6.6%、うち「JEEP」は2,221台(+15.4%)、2014年度の販売累計は4,444台(+13.0%)と好調を維持しています。
こうした実績が物語るとおり、欧米連合の形成に漕ぎ着けたセルジオ・マルキオーネCEOが描く収益拡大シナリオは「高級車の販売拡大」と「統合効果の極大化」。
フィアット傘下のアルファロメオ 「4C」のように手作りにこだわる「イタリア流」と米国流クルマ作りの融合を目指す戦略と言います。この「アルファロメオ 4C」は日本でも5月末に導入される予定。
また今年3月のジュネーブモータショーに出展されたJEEPブランドのSUV「レネゲード」はクライスラーのスタッフがフィアット本社のあるトリノに移り、フィアット社員と約2年間に渡って密接に連携しながら開発を進めた模様。
(動画8:21より)
双方が心掛けたのは設計・開発手法等の相違点より共通点を意識しつつ好事例を創出することだったとか。
今後、フィアットとクライスラーのプラットフォームを3種類に統合、それぞれ年間100万台以上を生産することで利益率向上を目指す考えのようです。
■フィアット クライスラー ジャパン Webサイト
http://fiatchrysler.jp/
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