温暖化、化石燃料の枯渇!と騒がれて久しいが、いきなりみんな電気自動車になるとか、水素自動車になってしまうことはない。
それは温暖化がCo2の増加のせいではないという意見や、石油が採れなくなってもシェールガスやメタンハイドレイドなどエネルギーの元になるものが使えそうだという話しが出てきたからではない。
電気自動車や水素自動車とガソリンや軽油で走る内燃機関を天秤に掛けたときに、まだまだ内燃機関のメリットが大きいからだ。
それでも21世紀のいま、パワートレインのひとつとして電気自動車が必要だと考えたBMWは、その弱点を消すことを真剣に考えたクルマ創りをした。それは重量軽減である。
電気自動車は重いバッテリーを搭載しなくてはならないので、エンジンとトランスミッションが無くなっても数百kgもエンジン車より重くなる。重い車体を動かすためには大きなモーター、さらに長い距離を走るためにたくさんのバッテリーを搭載しなくてはならない。つまりますます重くなる傾向になる。
そのためBMWはアルミニウムでシャシーを、ボディ骨格はCFRP(カーボンファイバーレインフォースドプラスチック=炭素繊維強化樹脂)で造り、アウターパネルはPP(ポリプロピレン)を貼るという手法で車体重量の軽い電気自動車を造り上げた。
これはこれからのクルマ創りに対しても、大きな改革のきっかけになるかもしれない。いまライプチッヒの工場に同じCFRPを使う乗り物=飛行機を製造する会社が見学に来ているという。これまで一品料理のように手作業で造られていたCFRPが、大量生産という画期的な造り方ができるようになったからだ。
BMWはサブブランドとして「M」があるが、それに「i」を加えた。まずは電気自動車の「i3」が登場し、プラグインハイブリッドの「i8」も追って今年中に登場する。「i8」は4WDでフロントは電気モーターで駆動し、リヤは3気筒1.5リッターターボガソリンエンジンで駆動する。リチウムイオン電池はセンタートンネルの内部に入る。形はまるでスーパーカーである。この形でも4人乗りだ。「i3」「i8」だけでなく、その間の数を使ったモデルも増えてきそうだ。
(菰田 潔)
【その2】へづづく