GM初の女性CEOとなるメアリー・バーラ氏の就任から1ヶ月後の今年2月13日、同社は米国やカナダ、メキシコ向けに販売したコンパクトカー、シボレー「コバルト」や同ポンティアック版の「G5」など77.8万台に上るリコールを発表。
シボレー「コバルト」は北米市場で90年代末から2000年初頭にかけて最も売れた「キャバリエ」の後継車種にあたり、2004年に発売されています。
スターターの点火スイッチ欠陥が原因で、走行中にエンジンが停止したり、衝突時にエアバッグが作動しなかったりする重大不具合。
その後2月25日になってGMはリコール対象車種を拡大。
レトロ風SUVのシボレー「HHR」や、オープン2シーターの「サターン・スカイ」などが追加されて当初発表の2倍強となる162万台規模の大量リコールに発展。
いずれも2003年~2007年までの市販車で現在は販売されていない車種。
米国向けが137万台と最も多く、カナダとメキシコを含めた北米向けが大半を占めており、この不具合でこれまでに31件の事故が発生、13人が死亡。
死亡者はいずれも前席乗員で、衝突時にエアバッグが作動しなかったことが原因とみられています。
新聞報道によると、GMは2004年時点で不具合を認識していながら、リコールしておらず、10年間不具合を放置していたことになるため、2月のリコール発表後から「NHTSA」(米道路交通安全局)が調査をスタート。
2009年にトヨタがアクセルペダル絡みの不具合で大量リコールに追い込まれた際、厳しい対応をとった「NHTSA」は今回GMに107項目の質問状を4月3日の回答期限付きで提出。
米下院エネルギー・商業委員会も3月10日からGMによる組織的リコール隠しの可能性の有無を調査中。
新任のメアリー・バーラCEOによると、就任後に不具合報告が届いたようで、専門家の判断などを踏まえてリコールを発表すると共に内部調査を開始。 氏は社員向けメッセージで「顧客が2度とこのような経験をしないように、情報伝達プロセスを改善する必要が有る」と宣言。
米上院ではGM経営陣に経緯を問い正す公聴会の開催を求める声が出始めているようで、米連邦地検は3月11日、情報開示の遅れについて刑事責任追求を視野に入れた事前調査を開始。
トヨタのアクセル不具合の件で同社のリコール対応の遅さを徹底追求しただけに、今回GMだけを擁護する訳にはいかないといったところ。
GMには最大3,500万ドル(約36億円)の罰金が課せられる可能性も有るとか。
2009年に経営破綻後、米財務省の公的資金投入で息を吹き返したGMでしたが、今になって過去10年間に渡る重大不具合の放置が発覚。
今年1月にCEOを退任したばかりのダニエル・アカーソン氏への責任追求は必至と予想され、今後の信頼回復に向けた同社の対応能力が問われることになりそうです。
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