2月17日、スーパーGTに本格参戦することを発表したBMW。
2月17日、SUPER GTのGT300クラスにエントリーするBMW Sports Trophy Team Studie(BMWスポーツ・トロフィー・チーム・スタディー)の参戦発表会が東京駅の真横、BMWグループスタジオで行われました。
白地に赤、水色、青というBMWのMカラーをまとったBMW Z4 GT3はBMW本体の関与の証。今回のこのチームはチームプロモーションをBMWジャパンが、チーム運営をStudieで行うというジョイントベンチャーのようなスタイルで、チームがレース活動に集中しやすいというメリットを持っているとのことです。
そう語るのはチーム代表で監督のStudie、鈴木代表。十数年間ヨーロッパのツーリングカーレースを視察、取材し欧米ではポピュラーなこのスタイルを日本で実現できないかと尽力し、今回その想いが叶ったということのようです。
Studie、BMWといえばGSR初音ミクBMWを連想されますが、今回はまったくの別チーム。「初音ミクは一番のライバルか?」という質問に鈴木代表は「こちらが勝ってもGSRが勝ってもBMWの勝利には変わらないのでライバルという関係ではないと思う」と述べています。
気になるドライバーはこの二人。
BMWワークスの一員として知られるヨルグ・ミューラー選手を起用するという驚きの人選。ヨルグ選手は昨年のスーパーGT鈴鹿1000kmでサードドライバーとしてGSR初音ミクBMWをドライブ。暫定結果で2位(正式はリストリクター不良により失格)という好成績(目前)の一助となったことが今回、日本で走ることとなったきっかけとのこと。筆者が昨年11月のマカオグランプリでヨルグ選手にインタビューしたところ「来年は日本で走ることになるだろうから、よろしく」と述べていた。まさにそれが現実のものとなったのです。
そしてパートナーとなるのは、こちらもルマンを制した「世界」の荒聖治選手。「自分も“BMWな男”になりたい。」とこのチームへの参加の決意を発露しています。
メインスポンサーとなるのはドイツのマルガーテ・シュタイフ。プレミアムブランドに詳しい方なら納得していただける世界最古のテディ・ベアメーカーで、ハイクオリティなぬいぐるみをを作ることで知られています。このデッかいテディ・ベアは極上のモフモフ感がたまりません。
そして、ヨコハマのゴルフブランド「PRGR(プロギア)」とスポーツ食品ブランドのウェイダーもスポンサー。ドイツと日本のトップブランドが集結した華やかなロゴが踊ります。
このチームは一般のレースファンとの交流も大切にしているようで、2月18日からプレーステーション用ゲーム「グランツーリスモ6」とコラボレートし、ゲーム内でタイムトライアルを実施するとのこと。今回、2月18日から始まるものを予選と称していますが、これは3月6日に富士スピードウェイで行われるシェイクダウンテストでの1本目のクリアラップを基準とし、それよりも速い参加者が決勝に進めるというもの。
これは日本だけではなくアジア主要7カ国で行われ、上位10名プラス各国トップの1名、計17名が5月開催のスーパーGT第2戦富士500kmレース内で行われる決勝大会に進出でき、そこでの優勝者は6月開催のトルコ・インスタンブールでのBMW主催のサーキットイベントに参加できる。そして参加者全員に「グランツーリスモ6」内で使用できるスペシャルアイテム、BMW M4の特別塗装車がもれなく進呈されるということです。
ビジネス的にはBMWのMブランドの拡販につなげていきたいという狙いもありますが、ワークスのMカラーとワークスドライバーのヨルグ・ミュラー選手に加えてBMWの技術供与なども含めたBMWのワークススタイルが日本のレース界、スーパーGTの300クラスでどういう影響を与えていくのか?というところに興味津々です。
(文・写真:松永和浩)