水に浮く小型EV「FOMMコンセプトOne」が水に浮くわけは?

また新たな電気自動車のコンセプトモデルが発表されました。

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「FOMMコンセプトOne」と呼ぶその電気自動車は、株式会社FOMM(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:鶴巻日出夫)から発表されたもので、いわゆるベンチャー企業が開発したものです。

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その特徴のひとつは「水に浮く」こと。かと言って、水陸両用車ではなく、いざという洪水などの災害時に一定時間水に浮いてなんとか移動もできる、それで壊れずにその後また自動車として機能する、というものです。

なぜ、そのような一時的に水に浮く機能を持たせたのかというと、この車両は東南アジアでの販売を目指しており、例えばタイの洪水被害時などにその時だけ浮いてくれて、まだまだ庶民がムリしてでも買ったクルマが壊れる事無いようにしてあげようと言うものです。電気モーターはエンジンと違って水中でも機能するという特徴も活かされています。

そのため、ホイールデザインも水中で推進力を発生させるフィン形状になっています。

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そのモーターはフロントタイヤのホイール内にあるインホイールモーター式。変速機も持たせず、シンプルで小型軽量となるのもメリットです。

また、モーターにホイールを収めたことと、バイクのような手でアクセル、ブレーキの操作系のおかげでペダルを必要としなくすることで、運転席を最前方に配置することができて、室内効率を上げ、ゆったりと4人乗車が可能です。

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バッテリーはリチウムイオンをカセット式で最大6個搭載。それぞれがなくなるとバトンタッチしていく方式で、2個充電がなくなったら4個で走って2個は家で充電する、という使い方も可能です。1充電での最大航続距離は100kmとされており、ガソリン換算の燃費は96.7km/Lと経済的です。

鶴巻社長はスズキ株式会社でスクーターやモトクロッサーなどを設計したエンジニアで、その後、コムスの開発、SIM-DRIVEにも在籍したそうです。

そしてデザインした江本聞夫さん(株式会社ミニモ代表取締役)は、やはりスズキ出身で2輪、4輪のデザインを経験された方だそうです。

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今後は3月にタイ・バンコク国際モーターショーに出展、タイでの製造・販売を2015年9月に目指しているとのことです。目標価格は現地で30万バーツ(約100万円)だそうです。

<スペック>

全長×全幅×全高:2495×1295×1550(mm)
空車重量:460kg
乗車定員:4名
最高出力:5kW×2
最大トルク:280N・m×2(FFインホイールモーター)
※いずれの数値も開発目標値

(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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