話題のレヴォーグのプロトタイプに乗ることができました。ちゃんとした試乗記は塚田氏のレポートに譲るとして、ここではボクが感じた5つのポイントをお伝えしましょう。
なお、今回試乗したのはあくまで“プロトタイプ”。スバルによると市販仕様も大きく変わることはないそうですが、内装のシボの入れ方(より上質になる)やサスペンションのチューニングなどは最終仕様ではないそうです。
それでは、いきましょう。
<1>インテリアが上質
ドアを開けて運転席に乗り込んだ瞬間、びっくりしました。インテリアの仕立てがいいんです。どのくらいかというと、「おまえはスバルのフラッグシップか!?」って突っ込みたくなるくらい。
ベースになっている(ダッシュボードの基本構造はおなじ)インプレッサでも現行型レガシィ(前期モデル)を超えていることに驚いたほどの上質感でしたが、レヴォーグはもっと上。ピアノブラックのセンタークラスターやブーツ付きのシフトレバーがかなり効いていますね。鮮やかなメーターもいい感じです。
あっ、ステアリングも新デザインのDシェイプでかなりスポーティな雰囲気です。この上質感、ライバル勢(国産にはいませんが欧州には何台かいますね)には脅威となるでしょう。
<2>スポーツカー顔負けの走りをする
走りはスバルのこだわりなので悪いわけがありません。が、乗って驚いたのは期待以上にいい仕上がりだったこと。
今回、ビルシュタインサスペンションを採用している「2.0GT-S EyeSight」でツインリンクもてぎのロードコースを走ったのですが、ストレートには速度を下げることを狙った臨時のシケインが設定されていました。当然ながらかなりの勢いでそのシケインをクリアするわけですが、そこを通過する際のステアリングを左へ右へと切った際の挙動が抜群にいいんです。
今どき「ステーションワゴンは走りがイマイチ」なんて思っている人はまさかいないと思いますが。はっきりいってレヴォーグのレベルはそんなものじゃない。ホント、「おまえはスポーツカーか!?」って感じですよ。実はレヴォーグの開発はスバル最強のスポーツマシンであるWRXと並行でおこなわれていて、ボディの補強なんかもWRXレベルなんだそうです。そのあたりが効いているんでしょうね。
<3>シートのホールド性が高い
スポーツカー顔負けの走りをするレヴォーグ。クルマの性能がいいから、国際規格の本格サーキットであるツインリンクもてぎのロードコースを走ると、コーナリングスピードがメチャメチャ速いわけです。そのとき、あれっ!と思いました。シートのホールド性がとっても高いんです。
元気よく峠道を走ったことがある人なら分かると思いますが、一般的なシートだとコーナリング中にズルッと身体が横にズレちゃったりしますよね。ところがレヴォーグのシートは、サーキットを走ってもそれがない。本格的なバケットシートなら当然ですが、レヴォーグのシートは身体を拘束される感じがまったくないのに横ズレしない。それが凄いんです。
実はレヴォーグのシートは「GT」に装着の標準シートと「GT-S」専用のスポーツシートの2タイプあります。今回乗ったのは「2.0GT-S EyeSight」だったのでスポーツシート。聞けば肩をはじめとするサイドサポート部にはワイヤーによる補強が入っているとのこと。とにかくスポーツカーみたいにしっかりと身体を支えてくれるシートなんです。
<4>1.6Lモデルはレギュラーガソリン仕様
まあこれは試乗しなくても仕様書を見ればわかることですけどね。レヴォーグは全車ターボエンジンで、排気量は2.0Lと1.6Lの2タイプ。2.0Lがハイオクガソリン指定(出力は落ちるけれどレギュラーも使用可能)、1.6Lはレギュラーガソリン仕様となっています。
開発陣によると、2.0Lモデルがパフォーマンス重視で1.6Lモデルは燃費にも重要視して開発したとのこと。満タン(タンク容量は60L)からの航続距離は1000kmも現実的ですから、高速ツアラーとしての素質も高いですね。
<5>17インチのホイールがカッコいい!
いわゆる「廉価仕様」がないのがレヴォーグのバリエーションの特徴。グレードは5タイプあります。そのうち、もっともベーシックな「1.6GT」とそこにアイサイトを装着した「1.6GT EyeSight」だけ17インチタイヤの設定(ほかは18インチ)です。
で、ポイントはその17インチホイールのデザイン。これがやけにカッコいいのですよ。空気抵抗低減のためにアルミホイールの上に樹脂のカバーがかかっていて、なんとも未来的な雰囲気。こういうカバーってちょっと間違えるとすっごく残念な状態になってしまうんですが、この美しさはマジで鳥肌ものです。みなさんも実車を見る機会があれば、足元をじっくりチェックですよ!
というわけで、レヴォーグの気になった5つのポイントを挙げてみました。でも実は、10個でも20個でも書けちゃうほどレヴォーグには注目ポイントいっぱいあるんですけど、それは後ほどということで。
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(工藤貴宏)