スバル・レヴォーグのワゴン離れした強固なボディ剛性感を確認【レヴォーグプロトタイプ・試乗記04】

リヤオーバーハングが長く、後席と荷室の間にバルグヘッドを持たないステーションワゴンは、リヤの剛性を確保しにくく、強固にすれば重くなるという宿命を抱えています。さらに、フロントノーズの入りはいいのにお尻がついてこない、ワンテンポ遅くなるというのも同じ車種のセダンと乗り比べれば、サーキットでなくても公道のワインディングでも十分確認できるはずです。

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それでも最近は、前を向いて走っている分にはワゴンであることを忘れさせるハンドリングとボディの剛性感を得たモデルも出てきました。

現行インプレッサのプラットフォームを別モノといえるほど大きく改良し、「WRX」、「WRX STI」と同時開発されたノウハウも投入されているというレヴォーグは、ねじり剛性を現行レガシィよりも40%以上アップさせているのが自慢。

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具体的には、ワゴンの泣き所であるリヤゲートの開口部まわりを補強し、CピラーとDピラーなどの剛性向上、フロントのトーボードとフロアパンの板厚アップ、サイドシルとリヤフレームの結合を強化。

また、Aピラー周辺の補強やフロントトルクボックスの大型化とフレーム間の結合強化も行い、主にボディの前と後ろを大きく補強しています。

さらに、シャーシも強化していて、フロントは補剛板の追加やクロスメンバー補強、リヤもサポートサブフレームの追加などにより、前後ともにバネレートをアップしています。

ビルシュタイン製ダンパーを採用する「Sパッケージ」はもちろん、標準車も足を締め上げている印象で路面のよいサーキットでも感じるほどですから、一般道ではより突き上げがきつく感じるかもしれません。

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それでもボディがしっかりしているので、衝撃を受けてもいつまでも上屋がだらしなく揺れ続ける感覚はなく、一発で収束。さらに、厚みのあるシートを含めた減衰力の高さを実感できます。

大柄なレガシィと比べるとその差は歴然で、レガシィはゆったり乗れるまさにツーリングワゴン、レヴォーグはスポーツワゴンという印象を強く受けました。

■スバル・レヴォーグは本当に日本向けのサイズか!?【レヴォーグプロトタイプ試乗記01】
https://clicccar.com/2014/01/27/245144/

■スバル・レヴォーグの本命!? 1.6L直噴ターボはどうか?【レヴォーグプロトタイプ・試乗記02】
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■300ps、2.0L直噴ターボエンジンの痛快な加速感が魅力【レヴォーグプロトタイプ・試乗記03】
https://clicccar.com/2014/01/30/245360/

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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