03年にデビューした初代「キャデラックCTS」は、従来からの大柄なボディサイズではなく、ニュルブルクリンクでも走り込みを行うなど、ドイツ勢をターゲットに据えた新生キャデラックの象徴といえるモデルです。
3代目となる新型「キャデラックCTS」は、先代よりも全長が100mm長くなり、ルーフラインをはじめ、フードライン、ウィンドウシールドが約25mm低くなるなど、ロング&ローのフォルムが印象的。ボディサイズは全長4970×全幅1840×全高1465mmと、ライバルとするメルセデスのEクラスやBMW5シリーズよりも全長が長いのが特徴。
中でもキャデラックの伝統である縦型フロントヘッドランプにLEDを採用し、ボンネットのラインに沿って上に駆け上がるようなデザインが印象的です。具体的には、左右のヘッドランプ外側に間接発光式のLEDを備え、フェンダー部分からバンパーへと連続して配置されています。
また、バンパーに備わるLEDライトに、ウインカーとしての機能も持たせることでライト類を集約し、簡潔で美しいフロントまわりを獲得。
ドライバーを中心にすえたコクピット風のインテリアでは、トリムにサペリウッド(キャデラックCTSラグジュアリー)とカーボンファイバー(キャデラックCTSエレガンス)を採用し、職人による手仕上げの本革シートを標準装備。さらに、ステアリングヒーター付きの本革巻ステアリングホイールを両モデルに標準とするなど、装備も充実しています。
エンジンは2.0Lの直噴ターボで、可変バルブタイミング機構と9.5:1という圧縮比などにより276ps/400Nmを発生し、とくに最大トルクは3000-4500rpmで発揮されるため、中・低速域でのトルク感のある走りが自慢。
組み合わされるトランスミッションは、パドルシフト付きの6ATで、駆動方式はもちろんFR。ブレーキはブレンボ製で、「キャデラックCTSエレガンス」にはオートドライ・ブレーキ機能も用意されています。
また、新型コルベットと同様に「マグネティック・ライドコントロール(磁性流体減衰力制御システム)」が標準で、1/1000秒ごとに路面状況を検知し、5/1000秒でダンピングを変化させる可変ダンピングシステムにより精密なボディコントロールが可能です。
前後サスペンションは、フロントに正確なフィードバックをもたらすダブルピボット式のマルチリンク・マクファーソンストラット、リヤは、マルチリンク(5リンク)式独立サスペンションで、ロールセンター変化と横方向の動きを抑え、高いスタビリティを実現。
50:50の前後重量配分やライバルとするBMW528iよりも約90kg軽いという自慢の軽量化技術などによってドイツ勢の牙城を崩せるかに注目です。
価格は「キャデラックCTSラグジュアリー」が599万円、「キャデラックCTSエレガンスが699万円。来年4月12日から販売されます。
(塚田勝弘)