クルマがWi-FiになるというアウディA3のナビ「Audi connect」を使ってみた

プレミアムコンパクトカーとしてリリースされた新型アウディA3 Sportback。コンパクトであることはともかく、何を持ってプレミアムだと表するかは難しいところですが、他にない装備を持たせることはその王道とも言えます。

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アウディA3 Sportbackでは、ナビゲーションにWi-Fi機能をミックスさせたシステム「Audi connect」を用意しています。

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Wi-Fiで接続するのは最大8台までのスマホやタブレット等インターネット接続が可能ですが、もちろん車両のナビゲーションへもクラウドによるナビの利便性を高めています。

例えば、駐車場の満空情報、周辺ガソリンスタンドの価格、最新ニュース、飛行場のフライト情報などを知ることができます。

ガソリン価格は誰もが気になることではありますが、飛行場のフライト情報などはそれほど日常的に知りたいのか?と疑問にも思えます。しかし、海外出張に出掛けるご主人を空港までよく迎えに行く奥様が使うのかな、と想像させることでプレミアムカーの雰囲気を醸し出すのでしょう。決して「付近の人気立ち飲み屋」を表示させるとプレミアムカーなイメージになりません。クルマなのでいずれにしろNGですが。

だけど、なんらかの理由で立ち飲み屋やその他を調べたいときもあるかも知れません。そういったときも、フツウにネット検索することはでき、その場所を目的地とすることも可能です。

A3 Sportback_26そして、ナビの地図をGoogleアースの航空写真マップにして経路誘導も可能です。

一般的なナビの地図はナビゲーションにも入っていて切り替えることが可能です。

このように、カーナビがインターネットに接続することで可能になることはとても広がるんですが、なかなかそれができないのは、回線への接続が問題となります。

もちろん、技術的にはケータイをつなぐとかSIMを挿すなどなんのことはないんですが、その回線への接続料をどう負担するか、が問題になります。また、必要ないというユーザーも存在することを前提にすると、ネット接続が前提の機能が限られた内容の商品になりがちです。

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そこでアウディA3 Sportbackの場合のナビゲーションには回線接続が前提となっています。ネットへの接続はソフトバンクの回線を用い、購入には契約が含まれています。これもプレミアムコンパクトであるキャラクターから可能になる商品でしょう。

実際に使った印象では、初めてでも操作はわかりやすいですが、これまでのナビになかった機能も多いので、例えば地図を切り替えられる、といった「できること」を知っていないと、オーナーになってしばらく経ってから気付くということもありそうです。

そして、アウディA3 SportbackのMMI(マルチメディアインターフェース)の手元のコマンドダイヤル上に指先による手書き文字入力が可能です。

それを使ってみた様子がこちら。

右利きには使えないか?とも思いましたが、形としての文字なので上手な字を入力する必要はありません。なれると確実に50音表から選ぶより早いでしょう。

クルマ本体のほうの走りもかっちりした感覚はプレミアムコンパクトらしさとはこういうものだと思えるもの。上級のアウディの感覚に近いものがあります。フラットな乗り心地と静かな車内が特徴です。

A3 Sportback_10 A3 Sportback_32A3 Sportbackを購入するなら、コンパクトプレミアムとして余裕があれば1.8 TFSI quattro(写真白ボディ/本体価格393万円)を選べば走りにも余裕があり、シートデザインもちょっといい感じに思えて満足感は高いでしょう。

けれど、初めてのアウディ、ちょっとプレミアム感に浸りたい、というには1.4 TFSI(写真黒ボディ/本体価格308万円)でも十分です。でも、エンジンパワーは要らないけど他は欲しいというかたには中間の1.4 TFSI cylinder on demand(本体価格347万円)が選べます。

いずれにしても、上記のMMIナビゲーションシステム(30万円)とアダプティブクルーズコントロール(アウディ ブレーキガード機能付き/8万円)は装備したいですね。同時にバング&オルフセン サウンドシステム(11万円)は余程運転中はせいぜいラジオしか聞かない、って人でなければ選びたいでしょう。

アウディA3 Sportbackは、ゴルフでは大衆車イメージが強過ぎでもうひとつ上のイメージが欲しい、という人にはピッタリで納得のクルマと言えるでしょう。

(小林和久)

 

 

 

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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