時代を映す東モのポスター「7つのデザイントレンド」(後編)

前回に続き、東京モーターショーのポスター「7つのデザイントレンド」を見ていきたいと思います。

【5】複数の人

「複数の人」を描いたポスターでは、第16回1969年が非常に印象的。多くの人がクルマに群がる様子に、クルマが強烈な憧れだった時代を感じずにはいられません。第23回1979年のポスターは、明るくポップなイメージ。排ガス規制を乗り越えた日本のメーカーが、クルマの楽しさや便利さを訴求している様に感じました。

131030225716【6】幾何学・数字・文字

東モのポスターには「幾何学・数字・文字」でデザインされたものも数多くあります。伝説のプリンスR380が出展された第12回1965年では、そのものズバリ「1965」がデザインに採用されました。また第36回2002年には商用車専門のモーターショーが開催され、6輪デザインとカーゴ部分の文字で商用車を訴求しているのが特徴となっていました。

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【7】モダンデザイン

最後に「モダンデザイン」を紹介しましょう。第17回1970年は、スカイラインGT-Rやセリカ、ホンダZ等が出展された当たり年。デザインも、クルマが光の残像を引いて上に向かう挑発的な印象を醸し出しています。また第39回2005年は、一筆書きで左に向かうデザインでした。このシルエットに、ウルトラセブンのポインターではなく、出展されたGT-Rプロトの熱い情熱を感じたのは自分だけではないと思います。

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東京モーターショーのポスターは、その時代における日本のクルマ社会をギュギュッと凝縮して表現していると感じます。ちなみに今年のポスターは「【1】上下・左右からの俯瞰」に該当するデザインで、クルマ同士がハートで響き合う様子が描かれています。ハートがドキドキワクワクするクルマを表現するとともに、東モ内のサブイベント【SMART MOBILITY CITY 2013 〜KURUMA NETWORKING … くらしに、社会に、つながるクルマたち〜】を重ねているのでしょう。

いよいよ今月開催される第43回東京モーターショー、開催が大いに楽しみになってきました。

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(拓波幸としひろ)