新聞報道などによると、安倍首相が10月17日に首相官邸で開いた「政労使会議」で、企業トップにデフレ脱却に向けた「賃上げ」を改めて要請したそうです。
会議には政府側から麻生財務相や菅 官房長官、甘利経済再生相、経済界からは経団連の米倉会長、日本商工会議所の岡村会頭、労働界から連合(日本労働組合総連合会)の古賀会長、企業からは日立製作所 川村会長、トヨタ自動車 豊田社長が代表としてそれぞれ出席。
安部首相は「政労使が一体でデフレ脱却に挑み、成功すれば世界に新たな経済モデルを示すことになる」と語り、来春の消費増税に合わせた法人減税などの企業支援策を踏まえて企業側も早期に賃上げに動くよう要請。
これに対して川村会長、豊田社長は従業員の賃金水準を一律で底上げするベースアップも含めて柔軟な姿勢で労使交渉に臨む考えを示した模様。
甘利経済再生相は企業トップも経済の好転や政府の環境整備を受けて「次は企業が対応する番という自覚が出て来た」として、翌日の閣僚懇談会で関係閣僚に所管業界が賃上げに動くよう働きかけを要請したそうです。
賃金相場に影響が大きい日立とトヨタの首脳がボーナスだけで無く、人件費の負担増に繋がるベースアップへの前向きな姿勢を示したことは安倍政権にとっても追い風。
日立とトヨタが来春に賃上げを実施すれば共に6年ぶりとなり、経団連なども春闘での賃上げに前向きに応じる構えと言います。
来年4月の消費増税に伴って企業の賃上げが伴わない場合、消費が縮小して経済成長が滞る可能性が高いだけに安部首相も積極的な動きに出ている状況。
連合の古賀会長は「春闘では賃金の引き上げに向けた積極的対応を検討するよう参加組合に指示をしている」と話したそうで、いよいよアベノミクスの恩恵が自動車業界などで働く従業員にも還元されるフェーズに移りつつあるようです。
次回の政労使協議は11月上旬に行われる予定。
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