新興国を貪欲に開拓する訳は!? 日産 ナイジェリアで現地企業と自動車生産

日産がASEANなど新興国への切り札として「ダットサン」を復活させ、日本ではついに次期スカイラインを「インフィニティ」ブランドとして投入するという一部報道もありますが、「1000万台クラブ」を目指して新興国、先進国ともにシェア拡大を狙っています。先日発表されたのは、ナイジェリアでの自動車生産において、西アフリカのスタリオングループと共同生産するという内容です。

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ナイジェリアでは、モータリゼーションの発展を促進するために策定される自動車産業政策が同国政府により最終承認されることを見越しての生産開始、と聞くとやや性急な感もありますが、世界中の至る所で自動車生産戦争ともいうべきシェア争いがより過熱するのは間違いないと考えると、当然の策なのでしょうか。

スタリオンは日産の独占販売会社で、ラゴスにある既存工場のVONオートモービル社の生産能力拡大という、初手だけにまずは現実的な路線を取るようです。

02生産車両は小型トラック、バンなどで年産4万5000台、生産第一号となるのは2014年春に生産開始予定の日産パトロールの見込み。

スズキがインドで成功するまでは並大抵ではない努力があり、成功したと思っても工場で暴動が起こるなど、海外での生産、シェア拡大は困難なのは間違いありませんが、アフリカの将来の成長を担う、という中期経営戦略は着実に進んでいるようです。

 (塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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