10月に発表される予定のマツダ・アクセラのプロトタイプに一足早く乗せていただきました。
プロトタイプと言っても、かなり生産型に近いものです。
3代目となる今度の新型アクセラは、見るからにわかるように好調なCX-5やアテンザの流れを汲むもので、デザインはもちろん「KODO(魂動)」デザイン、ZOOM-ZOOMが表現する人間が思った通りにクルマが動く走りに対するポリシーなどの基本コンセプトは共通しています。
それらをこのサイズ、このクラスで実現するための新たな施策のほか、安全面も考えたドライバーとクルマの対話に対する新たな操作系のデザインがふんだんに盛り込まれたものとなっているようです。
また、CX-5以来フルスカイアクティブになってからの特徴とも言えるディーゼルやマニュアル車の存在も、日本で売る日本車の中では珍しい存在としてキャラクターとなっているように、新型アクセラでも選べるようになっているのはもちろん、今度はハイブリッドモデルも登場する予定です。
デザイン面では写真で見たり遠くから眺めるとフロント周りはアテンザそっくり?と思いがちですが、じっくり見るとかなり違っていることに気付きます。
共通しているのはチータなどの4足で駆ける動物の筋肉を表したような前後のフェンダーを膨らませつなげたライン。よりサイズが小さなアクセラでは抑揚の付け方が苦労したところでしょう。
しかし、そのサイドビューもアテンザでは走っている最中の伸びやかさも表現しているかのように見せているのに対し、アクセラでは動物が走り始めようと身構えたような前傾姿勢を強く表現しています。
それがわかるのはフロントグリルのマツダエンブレムです。アテンザ(左下)では、このエンブレムがグリル内に収まっているのがアクセラではグリルをやや突き出したようになっています。
これはもちろん、エンブレムを飛び出させたかったわけでなく、グリルが下がった、つまりよりボンネット前端が下がっているのです。これはヘッドライトがやや吊り目状になっていることからもわかります。
つまり、サイズが大きなアテンザは広さや伸びやかさを表現して、アクセラでは躍動感や塊感を強く出したのでしょう。
今回見せてもらったのは5ドアのみですが、狙いは見事に的中していて、カッコイイと言えるんじゃないでしょうか。ただ、ちょっと心配なのは、そのフロントのナンバープレートです。アテンザではグリルの下にプレートが取り付けられますが、アクセラはグリル内に入るようになっているようです。
プロトタイプは黒い化粧プレートが入っているので目立ちませんが、ここに白い日本のフツウのナンバーが入ると・・・。ちょっと想像したくない感じがします。
次はそんなアクセラの走りについてお伝えします。
(小林和久)