ロングドライブやキャンプなどに出かけるなら1.8Lクリーンディーゼルエンジンがオススメ【MAZDA CX-30試乗記】

■街中・首都高速でも分かるディーゼルの分厚いトルク感

マツダの「SKYACTIV」エンジンで大きな魅力といえば、秀逸なクリーンディーゼルエンジンを揃えていること。新型クロスオーバーSUVのMAZDA CX-30も例外ではありません。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のディーゼルエンジン仕様の走り

1.8Lクリーンディーゼルエンジンは、116PS/4000rpm・270Nm/1600-2600rpmというスペックで、270Nmの最大トルクはCX-5やCX-8が積む2.5Lガソリンの252Nm(NA)を凌ぎます。パーシャル域からの分厚いトルク感は、ガソリン仕様にはない力感が美点です。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のインパネ

試乗車は6ATで、変速フィールにはほとんど不満はないものの、他メーカーが8ATなどより多段化している現状を考えると、現在のベストATとはいえないのが少し残念でしょうか。

短時間ではありましたが首都高速でも同仕様を走らせると、湧き出るようなトルク感により追い越しのしやすさ、高めの速度域でも容易に流れをリードできます。キックダウンさせてさらに加速させると、少しの間を感じさせますが、常識的な範囲なら不足はなし。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30の走り。ディーゼルエンジン仕様の力感は街中でもはっきり分かる

ほかにも18.4km/L(4WD)・19.2km/L(2WD)というWLTCモード燃費(2.0Lガソリン仕様は14.8km/L〜16.2km/L)という低燃費、軽油ですむというメリットなどがあり、減税対象などの利点もあります。

一方でガソリン仕様との差額は30〜32万円程度ありますから、年間走行距離が短いのであれば、より静かで爽快な走りが楽しめるガソリン仕様を選ぶ方が無難です。なお、ガソリン仕様とディーゼルエンジン仕様を乗り比べると、ディーゼルエンジン仕様特有のノック音(もちろん各種対策がされていて慣れる範囲内ですが)は確かに伝わってきます。

マツダ CX-30
MAZDA CX-30のメーター

また、ガソリン仕様よりもディーゼルエンジン仕様の方が60kgくらい重く、コーナーワークなどのフットワークでもガソリン仕様よりも若干ですが、重く感じられます。街中中心でキビキビと走らせるのであればガソリン仕様の方が無難でしょう。

マツダ CX-30
1.8Lクリーンディーゼルエンジンは、116PS/270Nm

一方で、冒頭で紹介したように、ディーゼルエンジン仕様の力強さは間違いのない長所であり、荷物を満載してキャンプや各種アクティビティ、スポーツを楽しむ相棒としてはディーゼルエンジンの方が向いていそう。使い方、走行距離を考えて選ぶのが妥当といえます。

(文/塚田勝弘・写真/長野達郎)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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