山本晋也 
ホンダの新型フィットが鳴り物入りで登場、燃費は最良で36.4km/L（JC08モード）という数字が注目を集めています。
このスペックを実現したのは、完全に新しくなったハイブリッドグレードで、これはプラグインを除くハイブリッドカーとしては国内ベストの数値となっています。
すなわち、これまでハイブリッドカーとしてトップの燃費性能を誇っていたトヨタ・アクアの35.4km/Lを超えたのが、新型フィットハイブリッド。リチウムイオンバッテリーや新しいi-DCDハイブリッドシステムの実力を示しているといえそうです。
価格面でもアクアが169万円～194万円となっているのに対して、フィットハイブリッドは163.5万円～193万円と、意識しているのは間違いない値付けとなっています。
こうなると、フィットハイブリッドのほうが全面的に有利に思えますが、気をつけたい点があります。
というのも、アクアは全グレードで同じ燃費性能となっていますが、フィットハイブリッドはグレードにより燃費性能が異なっているのです。
具体的には、36.4km/Lという優秀な燃費性能を実現しているのは、ベーシックなHYBRIDグレードのみ。
HYBRID FパッケージとHYBRID Lパッケージは33.6km/L、16インチタイヤを履くHYBRID Sパッケージは31.4km/Lとなっています。
ベーシックなハイブリッド以外はアクアの燃費性能に達していませんし、スポーティハイブリッドのSパッケージの燃費性能はトヨタ・カローラハイブリッドの33.0km/Lを下回っています。
ちなみに、カローラアクシオハイブリッドの価格は192.5万円～。キャラクター的に競合することはないでしょうが、カローラとフィットのハイブリッドは、同じ1.5リッターエンジンを使っていることもあり、価格と性能的には比較検討してもおかしくないのかもしれません。
参考までに、ハイブリッドカーの代名詞といえるトヨタ・プリウス（1.8リッター・ハイブリッド）の燃費性能はほとんどのグレードで30.4km/L、燃費性能に優れたグレードのみ32.6km/Lとなっています。
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（山本晋也）
