2014年のニューGT500マシンは次世代スポーツカー

2014年シーズンからDTM(ドイツツーリングカー選手権)とコラボレーションするSUPER GTシリーズGT500クラス。DTMと共通のモノコックになり、またエンジンは現行の3.4リッターV8から2.0リッター4気筒直噴ターボに変更されることが決まっています。

その、新レギュレーションに則ったトヨタ、日産、ホンダのニューマシンが、2013年8月16日にスーパーGT 第5戦を目前とした鈴鹿サーキットにて初公開されました。

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トヨタは、これまでに引き続きレクサスをベースにしています。ただし、従来は生産終了していたSC430を使っていたのに対して、2014年からは発売前のコンパクトクーペのコンセプトカー「LF-CC」をベースにしたニューマシンにスイッチ。新世代レクサスのアイコンといえるスピンドルグリルの目立つフロントマスクとなっています。

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日産は引き続き「GT-R」を使用しますが、その車名が「GT-R Nismo GT500」となっている点に注目です。単にニスモが開発しているというのではなく、コンプリートカーとして市販がウワサされている「GT-R NISMO」の登場を予感させるネーミングといえそう。また2013年のGT300仕様と比べてもわかるように、より市販車の面影を色濃くしているのが新レギュレーションのGT500ともいえそうです。

2013_GT300_GTR

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そして、これまでも市販前提で開発されながらも、残念ながらプロジェクト中止となった「HSV」を走らせてきたホンダは、2015年に市販予定の次期NSXをベースとした新GT500マシン「NSXコンセプトGT」を用意してきました。

DTMとの共通モノコックは基本的にFR(フロントエンジン・リヤドライブ)を前提としていますが、NSXのアイデンティティであるMR (ミッドシップエンジン・リヤドライブ)を守るために、エンジンやギアボックスを車体後部に配置しています。さらに次期NSXが採用する「スポーツハイブリッドSH-AWD」を受け、このGTマシンにもレーシングハイブリッドが搭載されています。

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トヨタ、ホンダは市販前のクルマをベースにした車両で戦うことになった2014年のスーパーGT GT500クラス。市販に向けて、マシンのイメージがどのように変化していくかも注目となりそうです。

 

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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