8月、夏・真っ盛り! 夏といえば北海道です!(?)
富士山が世界文化遺産に登録され連日ものすごい人出ですが、日本の世界遺産の中で最も北に位置する世界自然遺産・知床へはもう行きましたか?
今回は見どころ満載、避暑にももってこいの知床八景をご案内します。
【知床八景】
・オシンコシンの滝
・オロンコ岩
・プユニ岬
・フレペの滝
・夕陽台
・知床峠
・知床五湖
・カムイワッカ湯の滝
まずは知床の西の玄関口ともいえる斜里町・国道334号線沿いにある【オシンコシンの滝】。道の駅【しゃり】(斜里町の中心地)から30kmくらい北東にあります。変わった名前ですが、アイヌ語の「オ・シュンク・ウシ」(川下にエゾマツが群生するところ)からきているそうです。
途中から流れが二筋に分かれていることから、「双美の滝」とも呼ばれています。落差80m/幅30m、岩盤を流れ落ちる様は圧巻! 【日本の滝百選】にも選ばれている、人気の観光スポットです。
国道に面していて、駐車場にトイレ・売店もあるので気軽に見に行けるというのも魅力の一つ?
国道334号線をそのまま北へ10kmほど走れば道の駅【うとろ・シリエトク】に到着。番屋をイメージした長屋のような建物で、駐車場も広々としています。「シリエトク」とは「知床」の語源にもなったアイヌ語で、「大地の先端」という意味です。
EVスタンドもあります。(バイクは停めちゃダメよ!)
道の駅に隣接する【知床世界遺産センター】。知床に関する情報は、ほとんどここで得ることができます。
道の駅から徒歩約5分、ウトロ港に面する【オロンコ岩】にも是非、登っていただきたい。「ただの巨岩じゃないか」と思うなかれ。専用の駐車場にバイオトイレまで設置されている人気スポットなのです。
高さ約60m、170段強の急峻な石段を登ると頂上は平らになっていて、遊歩道がぐるっと1周できるように作られています。岩の頂上は独特の植生を保ち、狭いながらも植物の宝庫ですよ!
さらに、ウトロ港を一望できる素晴らしい眺望です。「オロンコ」の語源は諸説ありますが、ウトロの先住民族オロッコ族からきているといわれています。
オロンコ岩のトンネルを抜けると公設駐車場(有料)があり、ウトロ港からは大型観光遊覧船【おーろら】(往復約3時間45分、知床岬コースで6,500円)をはじめ各社クルーザーによる知床峠クルージングが発着しています。
以前【おーろら】に乗ったので、今回はこちらの【FOX-2】に決定。ただ単に店舗の駐車場(無料)がたまたま空いていたからなのですが(笑)小型クルーザーなので、けっこう岸に近づけるのです。
知床岬まで行くコース(往復約3時間 8,000円)、ルシャコース(往復約2時間 5,000円)、カムイワッカコース(往復約70分 3,000円)があり、ヒグマのポイントだというルシャコースにしました。
プユニ岬を過ぎ、フレペの滝(写真)、岩尾別、カムイワッカの滝、硫黄滝と、主なスポットを間近に見ることができます。フレペの滝は、【知床自然センター】から徒歩(遊歩道あり)でも見に行くことができますよ。(後ほど、その写真も掲載してます)
シーカヤックに興じる姿も見られました。知床はトレッキング・ナイトツアー・ダイビング・流氷ウォーキングなどなど観光アクティビティも充実!
海上から知床連山も一望できます。この日はオジロワシや、目的地のルシャと十九号番屋でヒグマも見ることができました!
ちなみに「ルシャ」とはアイヌ語で「浜へ降りていく道」という意味だそうです。断崖絶壁が多い知床半島では、このような砂浜っぽい場所は貴重なのでヒグマの出没する頻度が高いのでしょうね。ちゃんと、すべての乗客から見えやすいように船首を回してくれました。
ちなみにヒグマを見ることができなかったら『ヒグマざんねん賞』として景品をプレゼントしてくれるそうです(笑)
ウトロ港から約1〜2分、ウトロ温泉街がある高台に上ると、北海道森林管理局知床森林センターやキャンプ場(国設知床野営場)を併設する【森林スポーツ村】があります。周辺に日帰り入浴できる施設も複数あります。(日帰り入浴・温泉情報はまた別の記事で!)
キャンプ場の一角にある知床八景・夕陽台は、ウトロ港を見下ろす絶好の夕陽スポットです。
ウトロ港から国道334号線を知床峠方面に5kmほど上って行くと【プユニ岬】があり、そこからの眺めもまた素晴らしいです。(写真はウトロ港方面)
天気が好ければ阿寒国立公園の山まで見渡せ、冬にはオホーツク海でも一番最初の頃に流氷を見ることができるそうです。ただし駐車場がないため、歩いて行かなければならないのが難点。
国道334号線から道道12号線に入り、【知床自然センター】(駐車場無料)から【フレペの滝遊歩道】へ。
アップダウンも少なく、小さな子どもさんでも大丈夫なくらいですが靴は選んだ方がいいです。往復約2km、だいたい40分くらい。野生動物を刺激しないためペットの立ち入りや飲食物の持ち込みは禁止されています。
折り返し地点に展望台があるのですが、角度的になかなかバッチリ写すのが困難です。フレペの滝へは、これ以上近寄れないのがもどかしい!
はらはらと流れる様が涙のようだということで、別名「乙女の涙」といわれています。この向こう側あたりにも滴るような滝があるのですが、そちらは「隠れて泣いているようだ」ということで「男の涙」と名付けられているそうです。そちらは海上からしか見ることができません。
道道12号線を更に北へ約10km、こちらも人気のスポット【知床五湖】(駐車場料金:普通車410円、キャンピングカー/マイクロバス820円、バイク100円)です。夏休み期間中はかなり混雑し、満車の場合もあります。【知床自然センター】から運行するシャトルバスも停車するので、バスを利用した方が無難です。
一湖のみを巡る高架木道は、一湖まで約800m。電気柵(7000V!)が張り巡らされているので、ヒグマが出没しても閉鎖されることはありません。
五湖を巡る地上遊歩道は時期により利用ルールが違います。8月は『植生保護期』といって申請書に記入した上、大人250円、12歳以下100円を支払いレクチャーを受けてからようやく立ち入ることができるシステムになっています。近年ヒグマの出没率が高く、閉鎖されていることが多いです。
ちなみに5/10~7/31までは『ヒグマ活動期』で、ガイドツアーに申し込まないと入れません。
マイナスイオンたっぷり、清々しい空間です。
なんと、わたしが入林した1時間後にヒグマが現れ、すぐに閉鎖されました! 特にアナウンスなどもないので、出てから知りビックリ。もしヒグマに出会ったら、刺激しないようにそーっとバックするのがベストなんだそうです。
さぁ、ラスト!【カムイワッカ湯の滝】へは、マイカー規制(8月1日〜9月20日まで)によりシャトルバスで向かいます。知床五湖からカムイワッカ湯の滝まではおよそ30分のダート道です。
ここもヒグマの出没率が非常に高く、せっかく料金を支払ってバスに乗ってもヒグマがいた場合は引き返してしまいます。これも知床ならでは、仕方ないですね。
実はわたしが訪れた日もヒグマがいたのです。親子で3頭、なかなか立ち去る様子がなかったのでバスはそのまま引き返しました。道中でもヒグマがバスの前を横切ったんですよ!
ちなみにわたしは往復券を購入していたのですが、その場合、次の便にも乗る事ができます。シャトルバスは40分おきくらいに運行しています。
バスに再び乗り、無事にヒグマもいなくなったところでやっとカムイワッカの滝で下車。硫黄成分を含む酸性の湯(といっても滝壺で30度くらい)なので、お肌が弱い方は裸足で登らない方がいいと思います。
とってもツルツル滑るので、昔はここにワラジ売りのおじさんがいたんですよ。道の駅【うとろ・シリエトク】や【知床自然センター】で、『すべらない靴下セット』(1,000円)を販売しています。
カムイワッカには『一ノ滝』~『四ノ滝』まであるのですが、現在は落石のため『一ノ滝』までしか行けません。監視員の方がついてきてくれます。暑い日だと水着で入浴?する人もけっこういます。脱衣所はありません(笑)
いかがでしたか?知床八景といいつつ知床峠が入っていませんでしたが、そちらは次回の羅臼編で!
(松本しう周己)