予選順位はグループAの4位、結果全体では8位になりました。
DTECチーム・マスターワンとしては、第1戦の16位から見ると、大きく前進しました。8位というポジションからなら、スタートを上手く決めることができれば、トップグループに入ってレースをすることが可能になります。そうなると上位での入賞も見えて来ます。
そうした期待の高まる中、チーム内には緊張感が漂います。もしかすると、第1戦の重苦しい空気から一転、今回はお祝い気分でレースを終われる可能性もある。
天候は土曜日の夕方から激しく降った雨が早朝に上がり、曇り空だけど路面はまだ濡れている状況でした。レースが始まっていけば、当然路面が乾いていくのは確実。そこにわずかな不安要素がありました。ブリヂストンタイヤをドライ路面でテストした経験がなかったからです。
濡れているか、乾いているかだけでなく、路面の温度によって、タイヤは大きな影響を受けます。それはテストしてみないと判らない部分も多いのです。つくづく雨に好かれ続けていることが、恨めしい限りです。
レースはスタートしました。
スポーツランドSUGOのストレートは下り坂になっているので、スタートでの大きな差は付きにくいコースです。それだけに集団になって第1コーナーへと超接近戦でマシンが流れていきます。団子状態にまとまって、2台ずつが横に並びながら、走っていきます。
順調なスタートを切った坂本選手は、第4コーナーで3台並んで進入することになってしまいました。
コーナーの中間付近で、イン側を走っていたマシンが真ん中のマシンを押し、その影響でアウト側を走っていた坂本選手は、真ん中を走っていたマシンに押されてしまったのです。結果として、痛恨のスピンをし、大幅に順位を下げてしまいました。
コーナリング中のマシンというのは、タイヤのグリップの限界近くなので、少し押しただけでも簡単にスピンしてしまうものなのです。
コースに戻ってみると24位になっていました。そこから坂本選手の追い上げが始まりました。
前を走るラップタイムの遅いクルマを抜き去り、本来のポジションを取り戻すかのように追い上げていきます。1周で2台ずつ、というようなペースが続きます。
結果として10台をオーバーテイクして、14位となりました。アクシデントで期待されたような上位入賞は果たせませんでしたが、その速さは予選とレースで示すことができたといえるでしょう。それを次戦、鈴鹿サーキットで結果に結びつけて欲しいところです。
(岡村 神弥)