ときは18世紀。アメリカがまだイギリスの植民地だった時代です。アメリカの田舎ののどかな町になにものかが侵略してきます。それをいちはやく見つけた男が叫びます「The British Are Coming!(イギリス軍が来ている)」。町のひとびとに緊張が走ります。じつはこれは有名なセリフで、アメリカ独立戦争で大きな転機となったレキシントン・コンコードの戦いにおいて、愛国者ポール・リビアが敵の襲来を味方に知らせたセリフです。これはその伝説的なエピソードのパロディなんですね。
ところが、よく見てみると、やって来たのはイギリス軍ではありませんでした。「ちがう。来たのはイタリア車だ」。そう、赤いフィアット500Lが隊列を作って疾走してくるではありませんか! ここで町の女性たちの態度が豹変します。田舎くさい上着を脱ぎ捨ててミニスカートになり、肩を出し、現代風のショートカットにして、みょうにセクシーになってしまいます。どうもみんなフィアット500に乗りたかったみたいです。
以前もフィアット500アバルトのCMを紹介したことがありますが、アメリカにおけるイタリアのイメージっていうのは、そうとう洒落てて楽しそうな感じのようですね。もしアメリカがイタリアの植民地だったとしたら、いまごろまだ独立できていないかもしれません。
(まめ蔵)