三菱「eKカスタム」ターボの走りはミラージュよりも上か下か!?

eKワゴン/eKカスタムのNA仕様は、ワゴンRの「ENE-CHARGE」のような二次電池を搭載せずにJC08モード燃費29.2km/Lを達成しています。開発途中に燃費の目標値が変わるということもあり、とくにパワートレーンを担当する部門はかなり大変だったようです。二次電池の採用については、「もう少し時間があれば」というニュアンスのお話をうかがえたので、あくまで予想ですが次のマイナーチェンジなどで搭載されるかもしれません。

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29.2km/LのNA仕様は燃費で目一杯頑張った反面、かなり出力を抑えた走りであることは最初のスタートですぐに実感できるはずですが、こればかりは個人の車歴や好みにより差がありますので、気になる方はぜひ試乗していただければと思います。

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一方、eKカスタムのターボ「T」は、最大出力は自主規制値いっぱいの64ps、最大トルクは98NmとNAの49ps/56Nm(29.2km/L仕様)、49ps/59Nm(25.8km/L仕様)を大きく上回っているだけあって、軽のターボらしいパンチ力のある走りを披露してくれます。

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また、NAとターボともに乗り心地は洗練されており、ややカテゴリーは違いますが、とくにダンピングの効いた乗り心地に関してはN BOXより一段と上質で、ワゴンRやムーヴといったガチンコよりもノイズ、バイブレーションは抑えられている印象です。

しかもeKカスタムの「T」の走りは、兄貴分であるはずのミラージュよりも力強く、より洗練されています。ミラージュは1.0LのNAで69ps/86Nmとパワーこそ上ですが、トルクはeKカスタムのターボが上。車両重量は偶然にもほぼ同じですから、トルクがあるぶん発進性はより軽やかに感じます。

インテリアの質感や大きなシートサイズなどもミラージュを凌駕しています。しかし、価格はeKカスタムの2WDは143万円、ミラージュは一番高い「G」でも128万8000円ですから当然といえば当然なのですが。

最近の軽自動車(ターボ仕様)とコンパクトカーの逆転現状を端的に表している好例といえるでしょう。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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