2011年のル・マン24時間耐久レースに、革新的で新しい技術を紹介する車両のための「ガレージ56」枠で参戦した日産が、2014年にガレージ56枠にて、革新的なレースングかーでチャレンジすることが発表されました。
そのマシンが「Nissan ZEOD RC」。いかにもガレージ56枠にぴったりくる独創的なスタイルですが、その最大の特徴はパワートレインを”電力駆動”としているところにあります。
日産の電力駆動レーシングカーといえば、リーフのパワートレインをそのままミッドシップに搭載した「リーフRC」が知られているところですが、この「Nissan ZEOD RC」もリーフで培ったリチウムイオンバッテリー技術を活用しているということです。
想定される最高速は300km/h以上。将来、ル・マンの最高峰であるLMP1(ル・マン・プロトタイプ1)クラス参戦に向けて検討していくプログラムの一環として、このレース用電動パワートレイン技術のテストを開始するといいます。
また、日産/ニスモが運営する「Nissan ZEOD RC」の開発チームは、日産のダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションに就任したベン・ボウルビー氏が指揮するとのことです。ボウルビー氏は2012年のガレージ56枠へのチャレンジ『Nissanデルタウィング・プログラム』を率いたことでも知られています。
電力駆動とアナウンスされているだけで、「Nissan ZEOD RC」のパワートレインについて明らかにされてはいませんが、仮にリーフのリチウムイオンバッテリーをそのまま流用したとすると、ル・マンの舞台となるサルト・サーキットは2~3周するのがやっとと思われます。ピットで急速充電を繰り返すのでは、かなりの時間を充電に要すると考えられ、24時間を電力駆動する手段として、現時点ではエンジンを積んだレンジエクステンダーEV的な方法などが予想されていますが、果たして来年のル・マンでは、どうやって24時間のレースを勝負するのか興味をひくところではないでしょうか。
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(山本晋也)