映画の登場メカ? と思ってしまうようなこの車両、Dominator(支配者)と名づけられ、ボッシュのウェブサイトに紹介されているのですが、どうも現実に活躍する“はたらくクルマ”の一種のようです。では、その役目とは? 竜巻研究のための車両なのです。
日本でもときどき竜巻が発生し、家屋に被害が出ていますが、アメリカではその規模も持続時間もスケールが大きいようです。そして、その竜巻を追跡する仕事をしているひともいます。竜巻というのは、進路を急激に変えたりするので、予測が難しいそうですが、気象学者のリード・ティマーさんは、竜巻を観測し、その進路を予測し、気象センターに連絡します。それが、危険な地域の住民への早期の連絡につながるというわけです。
その竜巻追跡人のマシンがコレ。竜巻の周辺では時速300kmでがれきが飛んで来てぶつかったりするので、ふつうの車両ではひとたまりもありませんが、これは金属の頑強な装甲や、割れにくいポリカーボネイトのウインドウをそなえ、そう簡単にはやられません。そして、油圧サスペンションで車高を下げて車体の浮き上がりをふせぎ、地面にスパイクを打って固定することもできるのだそうです。ルーフ上には風速計やレーダーなども備えられています。周辺の携帯電話基地局が破壊されても外部と連絡がとれるように、衛星電話も搭載しているそうです。
ボッシュのサイトでは、このひとのインタビュー(英語)や、竜巻のさまざまな映像などが見られますが、とりあえずこのDominatorと名づけられたマシンの紹介動画をどうぞ。
(まめ蔵)