画期的MT用電子式クラッチ「eクラッチ」をBOSCHがフランクフルトモーターショーで披露

マニュアル車で交通渋滞に遭遇すると慣れたドライバーでも左足の操作は煩わしく、永遠続くような渋滞やストップ&ゴーが続くと正直うんざりすることもありますよね。

group-1309-24-01-original

先のフランクフルトモーターショーでドイツのBOSHC社が披露した電子式クラッチ「eクラッチ」は、クラッチを操作せずに1速で発進・停止を繰り返す走行が可能な画期的なトランスミッションで、ときにMTのデメリットになり得るこうしたシーンを解消する新技術です。

操作はATのようにブレーキとアクセルペダルのみで、1速での発進・停止が可能。また、ドライバーが加速をやめるとクラッチがトランスミッションとエンジンを切り離し、エンジンがオフになることで、燃費向上に貢献するコースティングと呼ばれる惰性走行にも対応。

この「eクラッチ」は、トランスミッションではなくクラッチのみを自動制御する役割を担い、クラッチペダルはクラッチを切り離すアクチュエーターに電気信号を伝送するもので、最大で燃費が10%向上する可能性もあるとか。

group-1309-22-01-original

ヨーロッパで10人の専門家で構成される審査員による「AUTOMOBIL PRODUKTION」でも、このコースティング対応による燃費向上などが評価され早くも賞を受賞しています。

メリットは燃費だけでなく、ATよりもコストを抑制できるなど価格面でも大きいですから、欧州のコンパクトカーに積まれるMTにはこの「eクラッチ」が徐々に採用されるようになるかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる