新型日産ノートの開発をリードしたのは、商品企画出身の敏腕女性でした!

様々な要因があるのでしょうが「クルマ開発は男社会」というのは紛れもない事実。そんな中、新型日産ノートの開発リーダーに、商品企画出身の女性が抜擢されました。水口CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)は「新型ノートに本当に求められるもの!」を女性目線で決断していったのです。

■目指すは「先代ノートとティーダのイイトコ取り!」

新型ノートは、世界的には先進国をターゲットとして、また国内ではティーダ統合車種として企画されました。そこで水口CPSは、先代ノートから「使い勝手&経済性」を、またティーダからは「室内の広々空間&上質な仕立て」を引き継ぎ、開発を推進しました。「先代ノートとティーダのイイトコ取り」というのは消費者には大変嬉しい企画ですが、造り手にとってはさぞ厳しい難問だったでしょう。これに真正面から取り組み解決した日産開発陣もさすがなら、開発陣から最大限ポテンシャルを引き出した水口CPSもお見事です!

■プラットフォームもエンジンもダウンサイジングに迷いなし!

新型ノートでは燃費向上が大命題でした。そこで水口CPSは「ダウンサイジングには意味がある!」と考え、ティーダ統合車ながら思い切ったダウンサイジングを決断!先代より70kg軽い日産最小のVプラットフォームと、4気筒より軽く熱効率に優れた3気筒エンジンを採用したのです。でもこれでは、タイで生産するマーチと何ら変わりません。そこで新型ノートでは、新発想のエコスーパーチャージャーを開発!シリーズ最高燃費25.2km/lと1.5L級のパワーを両立し、ダウンサイジングに新しい価値を見出したのです。

■大胆な「スカッシュライン」でシルエットをダイナミックに!

「サーフィンライン」といえばスカイラインが有名ですが、新型ノートでは「スカッシュライン」というキャラクターラインが採用されました。ちょうどスカッシュのボールが跳ね返る軌道をモチーフにしたもので、ボディサイドに新たなダイナミズムを表現!新型ノートでは、グリルがヘッドライトに食い込んだフロントフェイスとジューク譲りのブーメラン型リアランプがそれぞれ個性を主張していますが、新「スカッシュライン」はシルエット全体をダイナミックにまとめ上げていると感じました。

開発ストーリーの文面から察するに、水口CPSは「エコスーパーチャージャーは、新型ノートのために開発しようよ!」とか「日産の技術者は、お金と時間さえあれば何でもできるんだから!」と鼓舞したのでしょう。開発陣も気合が入りますよね。新型ノートは、女性ならではの「思いやり」と「思い切り」がぎっしり詰まった意欲作だと感じました。ちなみに、日産には女性CPSが他にも2名在籍しているそうですから、今後の日産車も大いに楽しみです。

■2013年次RJCカーオブザイヤー受賞
http://www.npo-rjc.jp/commendation/coty_2013.php

■新型日産ノート
http://www.nissan.co.jp/NOTE/ 

(拓波幸としひろ)