いよいよ4代目フォレスターの登場が近づいて来ました。前回はSUVのパイオニアとして、センセーショナルなデビューを果たした初代モデルをご紹介しましたが、今回は、数多くの仕様が存在した2代目モデルを振り返ってみます。
2代目モデルは2002年2月12日に登場し、クロスオーバーターボと呼ばれる水平対向4気筒 2.0L 可変バルブタイミング付DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載したXT、電子制御EGR等を採用し、先代よりも燃費が向上した水平対向4気筒 2.0L SOHCエンジンを搭載したX20,Xの3グレードにて発売が開始されました。
意外と知られていないのが、実は2代目フォレスターは初代モデルより全長が短くなっていると言う事。
初代S/tbと2代目XTを比較すると、全長がマイナス10mmとなっており、全幅は変更なし。全高はプラス5mmとなっていますが、初代モデルで好評だった取り回しの良さはそのまま継承されました。
SUVとしてラフロードでの走行を重視したX系で人気だったのはアウトドア用品メーカーのL.L .BEANとコラボしたL.L.BEAN EDITION。
また汚れを気にせずアウトドア用品を積む事の出来るハードマットをラゲッジに採用していました。
アウトドア用品メーカーとのコラボがフォレスターのアクティブな印象にぴったりマッチし、人気も高かった事から、レガシィアウトバックにもL.L.BEAN EDITIONが設定されるほどでした。
他にもX系で人気のモデルと言えば、ラリージャパン開催記念モデルのXT WR-Limted2004が挙げられます。
WRCのサポートカーをイメージし、WRブルーマイカのボディカラーに、ゴールドのホイール、専用のシートなど、スバルのWRCイメージを色濃く表現した内外装が人気の特別仕様車でした。
初代モデルはスポーツモデルのS/tbや、STIモデルが人気だったのですが、2代目登場時は、スポーツモデルが存在しなかった為か、初代オーナーが買い控えをする傾向も見られました。しかしながらモデルチェンジから8か月後に、満を持して登場したクロススポーツが登場。
30mmローダウンする専用フロント倒立式スポーツサスペンションに、リヤアルミ製ラテラルリンク、リヤ強化スタビライザー、一定ギヤレシオのパワーステアリング、専用エアロパーツ、専用ロータイプルーフレール、フォレスター初となるスポーツシフト付E-4AT、AT車にはVTD-AWD、専用スポーツシート、7スピーカーCDチェンジャー付オーディオと、専用装備のオンパレードでした。
これで同じエンジンを搭載するXTとの価格差が約20万円だった事を考えると、お買い得であり、売れ筋となっていたのもうなずけます。
クロススポーツはオンロードでの走行性能を重視し、装着されるタイヤはサマータイヤで、オプションで専用のBBS製ホイールも用意されて、初代S/tbを超えるオンロード性能を備えていました。
またローダウンサスペンションと専用のロータイプルーフレールを採用した事で、全高を1550mmに抑え、多くの立体駐車場に対応した事もヒットの要因と言えます。
そして、2代目フォレスターで一番のオンロード性能を誇る、STi Versionも存在しました。
専用の水平対向4気筒2.5L 可変バルブタイミング付DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載し、専用6速マニュアルトランスミッションを採用。
専用の18インチホイールや、ブレンボ製キャリパー、クイックステアリングギアレシオ、専用スポーツサスペンション、バケットタイプシートなど、インプレッサWRX STI譲りの走りの装備がふんだんに採用され、SUVらしからぬハイレベルな走りを実現していました。
2代目フォレスターはラフロードでの高い走破性を備えたX系は、他メーカーからの乗り換えユーザーに人気が高く、初代モデルのオーナーやスバリストに人気が高かったのはオンロード性能の高いクロススポーツやSTI Versionであり、それぞれ人気が2分されていたと言えます。
また、年次改良で数多くの特別仕様車や追加モデルを設定した他、限られたスペースで快適に後席でくつろげるよう、スライド式リクライニング機構や、飲み物をエアコンの空調で冷やす事の出来るマルチボックス、後席のテーブルにも使えるマルチセンターコンソールなど、数々の斬新な装備を採用し、常に進化をし続けていました。
現行型に踏襲されている高いオフロード性能を備えたX系モデルから、初代から受け継いできたSUVらしからぬ高いオンロード性能を持ったSTI Versionまで、幅広いラインナップが用意されていただけでなく、オンロード重視のSUVからオフロード重視のSUVにイメージチェンジをしていくフォレスターのターニングポイント的存在と言えそうですね。
(井元 貴幸)
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