円高、中国不安の中でも、スバルは過去最高の前年同期比 43.0%増の 276 千台を記録【富士重工 2013年3月期 第2四半期決算説明会】

10月30日、スバルの富士重工業株式会社は、2013年3月期 第2四半期決算説明会を行いました。

吉永泰之富士重工業社長の発表によると、海外での販売は、前年同期が震災影響による減産で低水準であったことや、インプレッサなどの販売が好調に推移したことから全ての市場で前年を上回り、前年同期比 43.0%増の 276 千台と大きく伸長したそうです。スバル車の国内販売は、登録車(軽でないという意味のいわゆる普通車)の販売が前年を上回りましたが、自社生産から切り替わりダイハツからのOEMとなった軽自動車が前年を下回ったことから同 0.8%減の 72 千台となりました。全世界合計の販売台数は、第2四半期累計期間として過去最高となる同 31.0%増の 348 千台となり、この結果、連結売上高は第2四半期累計期間として過去最高となる同 37.1%増の 8,980 億円となったそうです。

北米が好調なことの要因として、SUV市場が好調でスバルの商品性がマッチしていること、米国でIIHS(ハイウェイ安全保険協会)が行う安全性評価において、最高評価の「トップセイフティピック」を現在販売している全モデルが、3 年連続で、モデルラインナップ全車(レガシィ、アウトバック、フォレスター、トライベッカ、インプレッサ、BRZ)がこれを獲得した唯一のメーカーであるなど安全性が高く評価されていること、例えばリーマンショック以降、大手ディーラーが他社から離れ、スバル車を販売することになってきたなどによって、販売力が強化されていることなどが挙げられるそうです。

また、記者たちはどちらかといえば決算報告よりも円高と中国市場への質問が続きました。円高については、本日、日銀が追加金融緩和を発表したことと重なったため、この対策について、円高の影響を大きく受ける自動車メーカーの代表にコメントを求めたい様子です。

また、中国との関係について、中国での現地生産延期を発表し、ご存知の通り尖閣問題を受け、自動車販売に暗雲が立ちこめています。が、中国での生産については延期を発表した以降は変更はないとのこと。そして、中国でも日本から車両が送られているわけですが、中国で販売が目減りした分、好調でクルマが足らない北米に回すことができるので、結果的にはあまり影響がないようになっているそうです。

話題のBRZ/86が好評な点については、このまま好評が続くのを願うが万が一生産量を減らすことになっても、その生産ラインでインプレッサ/XVをブリッジ生産できるようにしたため、トータルの生産量を下げることはないそうです。

会見の中にはまもなく新型フォレスターが発表されることもアナウンスされました。

吉永社長のコメントは常に謙虚でしたが、まさに、ノリに乗っていると言えそうなスバルの決算発表でした。

(小林和久)

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編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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