欧州市場低迷で経営深刻化 ! 仏政府がプジョー(PSA)救済へ

今月14日に閉幕したパリモーターショーなど、華やかな報道ばかりで日本ではあまり取り沙汰されることの無い欧州自動車メーカーの実情ですが、「経済低迷で深刻さを増す欧州カーメーカーが目指す活路とは?」や「オペルとプジョーが合併して新会社? 経営再編の真相とは?」でもお伝えしたとおり、欧州債務危機による景気後退で経営が急速に悪化しているようです。

 そのような中、Bloombergが伝えるところによると、遂にフランス政府がPSA(プジョー・シトロエン・グループ)の救済に乗り出すことになったようです。やはりGM(オペル)との合併の動きを懸念して腰を上げたということでしょうか。

フランス財務相がPSAに支援を行う可能性を検討していることを明らかにしたそうで、PSAは政府からの融資について月内の合意を目指していると言います。

プジョー 208

欧州の自動車市場は年間販売で19年ぶりの大幅な落ち込みとなる見通しで、ACEA(欧州自動車工業会)のまとめによると、1-9月の累計販売台数でもPSAは114.7万台と前年同期比で約13%の落ち込みとなっています。

手元資金が枯渇しつつあるとされるプジョーは8000人の人員削減やパリ近郊の工場閉鎖を予定しており、資金をまかなう為、資産売却や10億ユーロ(約1037億円)の資金調達を進めている模様。

シトロエン DS5

一方、BMWもお膝元の欧州ではHYUNDAIに追い上げられている状態で、欧州全体の1-9月の累計販売台数でHYUNDAIが59万台を記録(前年同期比+14%)するなど、BMW(MINI含む)の60.2万台(同-1.8%)に肉薄しており、シェアを食われつつある状態。

既にその兆候は現れていますが、今後は日本同様によりいっそう維持費のかからない低燃費で軽量・コンパクトなクルマが欧州の主流を占めるようになって行くものと推測されます。

 (Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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