先日「経済低迷で深刻さを増す欧州カーメーカーが目指す活路とは?」でもお伝えしましたが、欧州での新車販売が11カ月連続で前年実績を下回っており、GM傘下のオペルやPSAグループのプジョーに於いても前年同期比で軒並み販売が大幅に落ち込んでいる状況。
8月販売 1-8月販売累積
GM OPEL部門:4.36万台(‐18.8%) 57.4万台(‐15.2%)
PSA PEUGEOT:5.0万台 (-8.0%) 55.1万台(‐14.5%)
現地報道などによるとオペル、PSA両社は欧州債務危機による販売不振で業績が低迷、今後大規模な人員削減や工場閉鎖を計画していると言います。
そのような状況の中、フランスの経済紙が10月12日、「GM傘下の独オペルと、PSAが合併を検討している」と報じたことで大きな波紋が広がっています。
GMとPSAは今年2月に資本提携することで合意済みで既に車台の共通化などを進めている模様。同紙によると、両社の関係を一歩進めてオペル本体とPSAの自動車部門を再編、共同で新会社を作る案が有力で、年内に何らかの決定が下される可能性があるとしています。
但し、PSAの大株主であるプジョー家には「ためらいもある」と指摘しており、合併については流動的とも伝えています。
さらにPSAグループが予定している大規模な人員削減策に関して主力産業での雇用確保を掲げるフランス政府がこれに反対しており、今回の独オペルとの合併案に関しても反対の立場をとる公算が大きい模様。
業績が悪化している両部門が合併して果たして業績好転に繋がる? という素朴な疑問も。
いずれにしても両社の今後の動きが注目されます。