プリウスもボルトも超えたフォードC-MAX ENERGIは全米ナンバーワン・プラグインハイブリッド

フォード初となる量産プラグインハイブリッドカー「C-MAX ENERGI」の燃費性能がプラグインハイブリッドとして全米ナンバーワンとなることが発表されました。

 フォードC-MAXといえば、プリウス・イーターともいえる意欲作。通常のハイブリッドがプリウスαのスペックを上回っていることでも注目を集めています。

プラグイン(外部充電)タイプのC-MAX ENERGIは、さらに燃費性能を向上させています。充電状態でのEPA燃費はシティモードが108MPGe(miles-per-gallon equivalent)、ハイウェイモードが92MPGe、複合モードで100MPGe(約42.5km/L相当)に達しています。

複合モードで比べると、プリウス・プラグインハイブリッドが95MPGe(約40.3km/L相当)ですから、このフォードC-MAX ENERGIは、全米ナンバーワンの燃費性能を持つプラグインハイブリッドになったというわけです。

さらに、エンジンとモーターで動くクルマといえば、シボレー・ボルトもメジャーな存在ですが、ボルトのEPA燃費性能は電気のみで走るモードで換算して98MPGe。外部充電とガソリン消費を合わせた数値は62MPGe。フォードC-MAX ENERGIの燃費性能がいかに優れているかが理解できるというものです。

ちなみに、エンジンの排気量でいえばボルトが1.4リッター、プリウスが1.8リッター、そしてC-MAX ENERGIが2.0リッター。必ずしも排気量と燃費性能がリンクしているわけではないのが、プラグインハイブリッドのおもしろいところ。

エンジンとバッテリー、そしてモーター出力の最適化が、C-MAX ENERGIの優れた燃費性能につながったといえそうです。

●フォードC-MAX ENERGIパワーユニット主要諸元
エンジン型式:ガソリン4気筒アトキンソンサイクル
エンジン排気量:1999cc
エンジン最高出力:141hp
 ハイブリッドシステム:2モーター式
駆動モーター出力:88kW
システム最高出力:140kW(188hp)
バッテリー種類:空冷リチウムイオン
バッテリー総電力量:7.6kWh
充電時間:2.5時間(240V)
EVモード航続距離:約20マイル

29,995ドルと、プリウスプラグインハイブリッド(32,000ドル)よりも安いプライスタグを掲げてアピールするC-MAX ENERGI。さらに、100MPGe以上のEPA燃費性能となるフォード・フュージョン・プラグインハイブリッドもリリース予定といいますから、北米市場における燃費ナンバーワン・ブランドとしてフォードが存在感を増していくことになりそうです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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