安全運転支援というと、衝突被害軽減ブレーキに代表されるクルマがスタンドアロンで実現する機能が注目されている昨今ですが、いくつもの自動車メーカーではその先を考えてR&Dが行なわれています。
奇しくも、ほぼ同じタイミングでゼネラル・モーターズとダイムラー(メルセデス・ベンツ)から、クルマと周辺(センサーや歩行者)が互いに通信しあうことで状況を把握する「C2X(Car-to-X communication)」へのアプローチについて発表がありました。
ダイムラーの発表では、市街地だけでなく高速道路でのクルマ同士の通信までも考慮しているといいます。たとえばトラックの後ろを走っていて、先が見通せない場合でも、見えない前方で起きている急減速を情報としてクルマに取り入れることで、追突事故を未然に防ぐということも考えられるといいます。
また、ゼネラル・モーターズのC2Xでは、すでに規格化されているWi-Fi Directを通信手段として用いることで、車々間通信だけでなく歩行者からの位置情報も発信しやすくすることが意識されているようです。
どちらも、すぐに実用化というわけではありませんが、こうして交通事故を減らすためのハードウェア的な工夫が進んでいるというわけです。もちろん、実用化、普及したからといって事故が皆無になるわけではありませんし、またドライバーの意識が重要なのはいうまでもありません。
警察庁の統計によれば、8月、10月、12月というのは死亡事故が多い時期です。いっそう気をつけたいものです。
(山本晋也)