全日本ラリー選手権 第2戦「ラリー洞爺」Day2も好天に恵まれグラベル(未舗装)路面での戦いは、トップを独走する柳澤・中原組を 10 炭山(+13.4) 12 石田(+14.6) 1 勝田(+18.3)が追いかける展開。5位の2 奴田原は+35.0とやや水をあけられている。 この日のSSは6箇所。3つのSSを2巡する。
前日、先頭スタートで砂利掻き役をやらされたとはいえ、同じSSでの2ループ目以降もトップとのタイム差が挽回出来ず、 「何が悪かったのか思い当たらない」と云っていた勝田範彦選手だった。が、4番手スタートのこの日最初で、イベント最長 のSS10“SEA TANGLE1”で2位以下に5秒、首位の柳澤・中原組号との差を7秒詰める驚速タイムを叩き出し、2位に急浮上! 反攻の烽火を上げる。いきなり貯金を半分近く減らされた柳澤・中原組だが、グラベルラリーでの先頭スタートの宿命、 SS11“PLUM1”,SS12 “PORK1”は1巡目。砂利掻き役から逃れる事は出来ない。どちらも3km程度と短か目のSSだが、トップ ・2番手のタイムを重ね、ひたひたとゼッケン1勝田・足立組は着実にその差を詰める。SS12終了時点で柳澤・中原組との タイム差は8.6迄詰まる。
迎えた勝負のSS13“SEA TANGLE2”トップは勝田・足立組。SS11より更に5秒速いタイムを刻むが、柳澤・中原組も2.9秒差の 4位に踏み留まり、その差は5.7秒。 SS14“PLUM2”勝田・足立組5連続トップタイム!
しかし、2位柳澤・中原組から削り取れた差は0.4秒。残るSS15は3.06km。 タイム差は5.3秒。正直、何か起こらないと挽回は難しいタイム差である。 SS15“PORK2”トップタイムは…大嶋・井出上組。
SS12のトップタイムを2.3秒上回るタイムである。
2位は奴田原・佐藤組。
3位は… 柳澤・中原組!6.3秒差を逃げ切り、昨年のラリー北海道以来、GRBインプレッサに乗り換えての初勝利です。 前戦、「がんばろう福島ラリー」とは逆に追う立場で逃げ切られた勝田範彦選手は、悔しさを滲ませながらも次戦に気持ち を切り替えていた。
なお、3位には石田・草加組のDL TEIN MARCHE ランサーが入り、石田選手は昨年のラリー北海道以来、 草加選手(教授?)にとっては2003年以来の表彰台となった。尚、奴田原・佐藤組のADVAN PIAA ランサーは総合4位に入り、 着実にポイントを稼いでいる。 次戦からターマック3連戦。初戦はモントレー(群馬)ターマックに強い勝田。CUSCOの地元群馬で連勝の波に乗りたい柳澤。
ここらでポイントを大きく稼がないとチャンピオン争いに絡めなくなる奴田原。3人を軸にJN4のタイトル争いは続いて いきそうである。
一方大注目のクラス3。Day1で首位に立ったCUSCO ADVAN 86ですが、
FRでの砂利掻きにタイムが伸びない中、沈んでいた「本命」 が猛威を振るい始める。村田康介・平山真理組のEXEDY☆DL☆BOOBOWブーンX4だ。
前戦、福島のグラベルで勝利したこの車はDay1でパンクにダンパーが4本とも抜けると云う重傷に見舞われたにもかかわらず、首位のCUSCO86と13秒差のクラス4位を死守すると、Day2 最初のSS10でいきなり86に17秒差をつけて逆転!クラス3の首位に立つと、SS12から14でクラス2位を最低2秒以上引き離す 異次元の走りを見せた。最終SSもトップタイムを叩き出し、Day2を完全制圧の上でクラス優勝を飾った。 コース的にはDay2の方が向いていると三好選手は語っていた様であるが、砂利掻き役の負担は大きく再度のトップ争いには 持ち込めなかった 模様。しかし、2位には一旦下げたクラス順位を死守し、86初の表彰台を奪った。GAZOORacingラック86はマイナートラブルに 悩まされながらも5位で完走を果たした。
グラベルで圧倒的速さを見せるブーン、速度の速いコースではグラベル・ターマックに関係なく速さを見せ始めた86に、 次戦からターマックキング眞貝インテグラが帰って来るJN3。マシン特性によるコースの得手不得手もあり、タイトル争いに 絡みそうな選手も全戦参戦を果たさないこのクラス。タイトル争いは一層の混迷を見せている。TEAMShowも86で参戦を開始する次戦モントレー、JN3も見逃せません!
(川崎BASE)
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