レガシィDITに乗って来ました。人気のアイサイト付きDIT搭載車は秋までおあずけのようです

キリッと凛々しくなったレガシィに乗ってきました。試乗枠はわずか30分ですから高速道路には行けませんでしたが、裾野の山を走るというステージは、新しいエンジンをつまみ食いするには最適でしょう。

DIT搭載車はB4とツーリングワゴンに設定。トランスミッションはCVTのみなのは残念ですが、スバルの企業規模を考えるとあらゆるトランスミッションを載せるのは厳しいのかもしれません

ツーリングワゴンとB4に新たに積まれる「FA20 DIT」は、BRZに積まれるトヨタの「D4-S」ではなく、スバルオリジナルの直噴技術で、300psの最高出力はもちろん、400Nmもの最大トルクを2000-4800rpmという幅広い回転域で発揮されるのが注目。

「EJ25ターボ」よりも20%排気量をダウンサイジングしつつ、パワー&トルクをアップして燃費も約2割も向上するとは新世代パワーユニットの名に恥じない改良ぶりが光ります。

BRZにも積まれている新世代のボクサー4ですが、直噴技術はスバルオリジナルです。直噴特有のカラカラしたアイドリング音は室内にいる限りはほどんど感じられませんでした

まずはSI-DRIVEを「I」モードにしたまま走り出すと、動き出しの軽やかさと巡航速度へのスムーズな走りに驚き、感動すら覚えます。急な登り坂でも穏やかに、しかしあっという間に法定速度に到達。

「S」モードもはシートバックに押しつけられるような加速を味わえますから、サーキットでも行かない限り「S♯」モードは実用上、必要性は感じさせません。ただし、擬似的に設けられた8段ステップとなる専用制御は「S♯」モード時のみですから、標準のパドルシフトを駆使してマニュアル感覚のシフトチェンジを堪能するなら前走車との車間距離に気をつけながら、楽しむしかありません。

SI-DRIVEの操作ボタンがステアリングに移動し、操作性が格段に向上したのはうれしいニュース。センターコンソールには電子パーキングブレーキのスイッチが配置されています

車間距離といえば「アイサイト」。その人気はレガシィに限らず、インプレッサでも人気爆発中ですが、DIT搭載車は今秋までおあずけ。でも、5代目レガシィで最も刺激的だったDITレガシィに早く乗りたい! という人は待ちきれないはずです。それだけの魅力はあります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる