6シリーズ・グランクーペのボディをかたち作っているアウターパネルに厚み感がある。これはBMWだけに限ったことでなく、メルセデスベンツもフォルクスワーゲンも同様だ。
ドイツに行くと、安いホテルでも部屋のドアは分厚く、ドスンと重厚な感じを伴って閉まる。そんな文化の中で育ったクルマだから薄っぺらに見えるクルマは作れないのかもしれない。
フェンダー、バンパー、ドアなどのパネルの継ぎ目の隙間は、ドイツ車はさほど狭くない。日本車は「隙間を狭めてパネルの継ぎ目でも映り込みをきれいに見せるように「面が均一」になるように修正している。このふたつの要素がボディパネルを薄く見せているのだと思う。
隙間があれば、パネルの端が見えて塗装の厚みも含めて板の厚み感を感じることができる。
またパネルの端のゆがみを取ることで「面が均一」に見えるようにする日本車だが、パネルをカットしたりプレスしたりするとき、それ自体が分厚ければ端が引き込まれてゆがむのが自然なのだ。面が均一で映り込みがきれいなのはパネルが薄いという証明をしていることになる。
日本車はパネルが薄く見えるようにしているわけではないが、結果としてそう見える造りになってしまっているというわけだ。
(菰田 潔)
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