来年の「ガレージ56」は水素だ!来年のル・マン24時間に燃料電池マシン「GreenH2」が参戦

今年のル・マン24時間レースは日産 デルタウイングという未来のレーシングカーの可能性を探る場でもありました。

日産デルタウイングは「ガレージ56」というLMP1/LMP2/GTE PRO/GTE Amのどのクラスにも属さない試験枠で参戦しました。予想を上回るスピードを披露していましたが、不運なアクシデントに遭遇し残念ながらリタイアとなってしまいました。 

さて来年のル・マン24時間の「ガレージ56」はどうなるのか?デルタウイングがリベンジか?新たな参戦か?

英国の人気クルマ番組「TopGear」の公式サイトによると、来年度は「GreenGT H2」というまるでサメの様なフロントとドライバーの後ろにある巨大なインテークが目を引くマシンがこのガレージ56に収まります。 

このマシンの動力は名前のH2の通り「水素」、つまり燃料電池で走行するル・マン史上初のゼロエミッションマシンとなります。

スペックは以下の通り
寸法: 5150 × 2000 × 1200(mm)
重量: 1200kg
シャシー&ボデー:2重構造&クラッシュボックス (カーボンファイバー)
動力:三相交流モーター ×2
最大出力: 200kw ×2 (馬力換算544馬力相当)/13500rpm、トルクは後輪に4000Nm
ミッション:直結(Dレンジ)
燃料電池:18層 燃料電池
出力:400kW
容量:246kWh(持続は40分)
最高速:300km/h

となっています。恐らく巨大インテークは2つの電気タービンで走行風で充電をするのではないかと考えられます。燃費は1時間に12.5kgの水素を消費、これをガソリンに換算すると約36リッター消費するようです。

側面のオレンジ部分は水素タンクです。

今後来年のレースまでに
・車体重量を1000kgに軽量化
・走行可能時間を1時間に改善
という改良を目標としています。

参戦プログラムは、今年の8月26日にイギリス・シルバーストーンで開催される6時間レースを初参戦の目標としています。その後は来年度からスパ6時間、そしてル・マン24時間に参戦する予定です。

元々GreenGTはハイパフォーマンスなゼロエミッションカーを開発する会社で、2010年にEVスポーツコンセプト、シトロエン・スルヴォルを製作しました。

いよいよ300km/hのハイスピードレースにもゼロエミッションカーが登場する事になってきました。果たして結果も重要ですが、我々モータースポーツファンが惹かれるような走りを披露してくれるのか注目です。

■TopGear.com Hydrogen-electric racer set for Le Mans
http://www.topgear.com/uk/car-news/greengt-h2-le-mans-garage-56-2013-2012-06-08 

GreenGT公式サイト
http://greenGT.com/ 

栗原 淳)