2リッター4駆ターボ以上の燃費で走る新型キャンター エコ ハイブリッドに脱帽。例の「アレ」も確認しました!

5月18日に発表された三菱ふそうキャンター エコ ハイブリッドのステアリングを握る機会を頂いたので、試乗してみました。

キャンター エコハイブリッドはクラッチとトランスミッションの間にモーターを配置するP2型パラレル方式ハイブリッドシステムを採用。DUONICというツインクラッチ式自動進段6速MTは、インナークラッチに1、3、5速の奇数段が、そしてアウタークラッチに2、4、6速の偶数段と40kW出力のモーターが備わっています。

運転席に乗り込んでイグニッションキーを回してエンジンを始動するところはエンジン車と何ら変わりません。そしてシフトセレクターをP(パーキング)レンジから1段下げてN(ニュートラル)レンジに入れ、さらに左にスライドさせるとD(ドライブ)レンジとなります。メーターのインジケーターを見るとギヤは3速を表示。キャンター エコ ハイブリッドは平坦路や下り坂では3速発進し、上り坂の傾斜角度によって2速、1速と自動的にギヤを落として発進します。

ブレーキペダルから足を離すとAT車のようにクリープで走り出しますが、この時エンジンはアイドリングのままで回転数は上がらず、インバータ制御によるモーターの磁励音だけが聞こえてきます。

実は発進直前のギヤはエンジン3速+モーター2速の状態となっているのです。だからブレーキペダルから足を離すとモーター2速駆動のみでクリープ発進するのです。

このあとアクセルを踏み込むとインナークラッチが接続されてエンジン3速で走行しながらモーターは4速でアシストして加速。さらにインナークラッチを切り離してアウタークラッチを接続し、エンジン+モーター4速へシフトアップ。このようなかたちでエンジン5速+モーター4速→エンジン5速+モーター6速→エンジン+モーター6速へとスムーズにシフトアップしてきます。

つまり、単純な6速ミッションではなく、モーターのアシスト段を加味すると実質的には8速と同等となり、きめ細かいシフト制御が可能となっているようです。

また、車速変化が少ない通常走行時はディーセルエンジンの高効率性を活かしてエンジンのみの走行も可能。逆に低速走行時はモーターのみの走行もしているようで、エンジン回転数が落ちたりします。かといって挙動に違和感はありません。

ブレーキング時はモーターを発電機として使用して、その発電した電力をバッテリーに蓄える回生ブレーキを基本として減速します。その際エンジンはインナークラッチ、アウタークラッチとも切り離してエネルギーロスを防止。

6速からブレーキングを開始した場合は6→4→2速を自動的にシフトダウンしながら減速します。

荷物が軽い時はびっくりするぐらいのストッピングパワーを発揮する回生ブレーキですが、荷重に応じて減速力を調整する応荷重装置があってもいいかなって思いました。なお補助ブレーキとしてエキゾーストブレーキも装備されています。

 運転の仕方にも寄りますが、下り坂が多い高速道路など条件がいいと自分でも12km/L以上の燃費を出すことができるようで、普通の街乗りでも8〜9km/Lで走ることができました。

単純比較はできませんが2リッター4WDターボ並みの燃費性能なんて驚きですね。

あっそうそう、例のブレンボキャリパーも確認してきましたよ!

■小型トラック「キャンター」(三菱ふそうトラック・バス)
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/lineup/truck/canter/10n/ 

(ぬまっち)

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この記事の著者

ぬまっち(松沼 猛) 近影

ぬまっち(松沼 猛)

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる。2013年に独立。現在は編集プロダクション、ATCの代表取締役。子ども向け鉄道誌鉄おも!の編集長を務める傍ら、自動車誌、バイク誌、鉄道誌、WEB媒体に寄稿している。
過去に編集長を務めた雑誌はレーシングオン、WRCプラス、No.1カーガイド、鉄道のテクノロジー、レイル・マガジン。4駆ターボをこよなく愛し、ランエボII、ランエボVを乗り継いで、現在はBL5レガシィB4 GTスペックB(走行18万km!)で各地に出没しています。
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