日産リーフから電力供給するV2Hシステムで充電時間も短縮できる【動画】

一旦、電気自動車に充電した電気を家庭やオフィスに戻して使うことで、ピークシフトや災害時の対策に活用するのがV2H(ビークル・トゥ・ホーム)というアイデアですが、『LEAF to Home』という名前でシステムを発表している日産自動車が、さらに一歩進めました。

新たに家庭用としても使える市販型「LEAF to Home」機器を発表したのです。

ニチコン株式会社が開発した「EVパワーステーション」を活用して、リーフの24kWhという大きな電力量を持つバッテリーに貯めた電気を一般住宅の分電­盤に接続するもので、世界初のシステムということです。

急速充電用のCHAdeMOと、普通充電用のJ1772というふたつの接続ポートを持つリーフですが、その「EVパワーステーション」との接続に使うのはCHAdeMOのほう。

クルマと「EVパワーステーション」はDC(直流)でつなぎ、パワーステーションから家庭へはAC(交流)で供給するというシステムとなっています。

これにより夜間に充電した電気を昼間のピーク時に使ったり、また太陽光発電で溜めた電気を活用するなど、様々なピークシフトのアイデアが生まれるとのこと。

さらに二次的なメリットとしては、急速充電のCHAdeMOポートで接続することで充電時間も短縮。200Vmp普通充電時間の約半分となる4時間で満充電にすることが可能といいます。

バックアップ電源としての安心感と充電時間の短縮、まさに一石二鳥のシステムといえましょう。

なお価格については、経済産業省の充電器等に対する補助金制度が適用された場合に、標準的な設置工事費用を含んだ実質的な負担額が消費税込み33万円程度となるとのこと。発売開始は6月中旬、全国の日産販売会社で販売されるということです。

■日産自動車、ニチコン製”EVパワーステーション”を活用した電力供給システム “LEAF to Home” を市場に導入(日産自動車)
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2012/_STORY/120530-01-j.html

■リーフは暮らしの電源へ。LEAF to Home、6月中旬 いよいよ発売。(日産自動車)
http://ev.nissan.co.jp/LEAFTOHOME/?rstid=20120425rst000000020

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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