クルマにまつわる都市伝説!? “ATF交換はダメ”を検証してみた

エンジンオイルやクーラントは定期的に交換するけど、ATFを交換している人ってどれくらいいます?最近のディーラーはATF無交換と言い切っているところが多いうえに、走行距離がかさんでくると交換を受け付けてくれないなんてこともしばし。さらに、ATFは交換しちゃダメなんてハナシも良く耳にしますよね。ホントにダメなもんなのでしょうか?

ということで、最近ATが滑りはじめた13万キロ走行のボルボV70をサンプルにATF交換を試してみることにしました。まぁ、AT積み替えを考えているので、壊れたら壊れたで仕方ない。ちなみにボルボはATF無交換を推奨しているようですが…。

ATオイルパンのドレーンを開けると出てくるのは、使い倒したエンジンオイル並に黒褐色の液体。新品オイルが赤っぽいのに対し、さすが13万キロ無交換だとこんなにもヨゴレちゃうみたいです。もちろんヨゴレだけでなく粘度もかなり落ちている様子。こうしてみるとATFを交換しないなんて理由はわかりませんね。

ドレーンプラグはマグネットで鉄粉などを吸着する仕組み。もちろんこちらにもスラッジがビッチリ。パーツクリーナーでキレイに清掃し、Oリングを新品に交換しておきます。ちなみに無交換派の言い分としては、これらのスラッジがストレーナーを詰まらせる可能性があるというものです。確かにこのスラッジ量を見ると心配になってきます…。

交換方法はクルマによってそれぞれなので作業工程は割愛しますが、今回は循環させながら20L缶をほぼ使い切り全量交換しておきます。交換が済んだらレベルゲージで量を確認し作業は完了になります。

交換してしばらくの間は以前と変わらずATの滑りがあったものの、500kmほど走行すると滑りは解消。さらに変速ショックも格段に和らいぐという結果に。交換は失敗じゃなかったということです。

もちろん今回の検証はサンプルのひとつです。車種や搭載AT、使い方なんかによっても状況は大きく変わってきます。もしかするとATF交換で不具合が起こる可能性もありますから、ATF交換は自己責任で!

(渡辺大輔)