日産がル・マン24時間に挑むデルタウイングって、あのインディカーだったのね

欧州日産が2012年の「ル・マン24時間レース」に全く新しいレースカー「デルタウイング」で参戦することが発表され、かなり話題になっています。
何が話題かって、自ら「I AM BATMAN」と呼ぶ、あのスタイリングが現代のレーシングカーの域を越えているからなのです。

デルタウイングという名前はどこかで聞いたことがあるし、そのスタイルを見ればすぐにインディカーシリーズが2012年から導入する新シャシーに、現行のダラーラ、BATエンジニアリング、ローラ、スウィフトとともに名乗りを上げた、あのデルタウイングであることが分かります。

インディカーシリーズは、2012年から採用するシャシーの発表を2010年7月14日12時30分からインディアナポリス美術館のトビーシアターで行い、ライブ中継もしたのですが、このデルタウイングは予想通りに落選、色物としてそのまま姿を消してしまうものだと考えられていました。

[youtube width=”620″ height=”511″]http://www.youtube.com/watch?v=e2mqjL2P9O8

なぜなら、当時同車の走行シミュレーション動画がYouTubeなどで公開されており、SF映画かテレビゲームにでも出てくるかのようなスタイリングと、まんまテレビゲームの世界という走りを見れば、これが選ばれれば楽しそうだしインディカーが注目を集めるのは確実だと思われたものの、現実味は乏しいと思われたからです。

しかし、デルタウイングはくじけることなく、矛先を2012年のル・マン参戦に向けスタイリングも2シーター化した上で、夜間走行に必要なヘッドライトなどを装着し、着々と準備を進めてきました。

そして、あの落選から1年8ヵ月、欧州日産と組んでのル・マン参戦が発表されたのです。
パワーユニットは「Pure Drive」技術を取り入れた1.6Lターボエンジンで、300馬力のパワーは他のコンペティターに比べて大幅に劣るものの、車両重量、空力、燃費は大幅に優れており、LMP1クラスのアウディR18 E-TronクワトロとオレカO3の間ぐらいのパフォーマンスはあるとのこと。

もっとも、これだけ特殊な車両だけに、ASOが先進技術搭載車両向けに設定したクラス外規格「ガレージ56」としてカーナンバー0番を付けての参戦となるため、優勝したり、クラス優勝したりする資格はありません。
それでも、マリノ・フランキッティとミハエル・ク­ルムらが、どのような走りを見せてくれるのか期待したいところです。

[youtube width=”620″ height=”511″]http://www.youtube.com/watch?v=7m9RBlcG7Rw

This is Not A Rocket Ship

(ジム加納)

【リンク切れ、画像がすべて見られない方は】https://clicccar.com/2012/03/15/123523