ジャガーやランドローバーを買収したり、超低価格車タタ・ナノの発表などで一時期話題を集めたインドの自動車業界ですがこのところ日本ではあまり話題となっていません。
このたび現地業界関係者からインド自動車工業会「SIAM(Society of Indian Automobile Manufacturers)」がまとめたデータをもとに2011年(11月まで)同国の自動車事情について話してくれました。
11月までの2011年販売状況ですが、可もなく不可もなくといえる前年比8%プラス(乗用・商用合わせ)で推移しています。
気になるのは乗用車だけでみると5%増と中国やインドネシアといった同じ人口が多い国とくらべ市場の伸びがイマイチだということです。
インドで売れている乗用車1位はスズキの現地法人マルチ・スズキの“アルト”です。日本の現行アルトととは違い、5代目アルトをベースに現地仕様として開発されました。
2位はこれまたマルチ・スズキの“ワゴンR”。こちらはアルトとは違い現行モデル(4代目)をベースに作られています。日本ではあまり知られていませんが、インドのお金持ちで年配の方は肥満の人が多く、乗り降りしやすいこのタイプの車種に人気が集まっているそうです。
3位はこのところ世界中で販売が伸びているヒュンダイのエントリーモデル“i10”です。
2代目アルトをベースとしインドの国民車といわれる“マルチ800”ですが、インドの都市部では排ガス規制の影響で販売出来なくなったこともあり、マルチスズキの基幹車種の座をアルトなどに譲りました。
一時期、世界中で話題となったタタ・ナノですがクオリティの問題や立ち上がりの生産遅れが影響しインドでは失敗作という認識だそうです。
そのため海外での生産(インドネシアや南米)で活路を開くことが考えられているようです。
乗用車メーカー別ランキングでは、1位がマルチ・スズキ、2位はヒュンダイ、3位にやっと現地メーカーのタタが入ります。
日系メーカーで注目なのがトヨタ。現地仕様車“エティオス”(ハッチバックはエティオス・リーバ)の販売を開始したことで対前年比76%増となりました。
業界関係者のよるとインドのマーケットは中国と違い急激な伸びはないものの、10〜15%づつ成長を続け2015年には500万台を超えると予想しています。
【クリッカー編集部】