トヨタ2000GT詳細撮影その8 エンジン編

さて、お待ちかね。トヨタ2000GTのエンジンの詳細写真です。

トヨタ2000GTのエンジンはかなり運転席寄りに搭載されています。1967年当時、すでにフロントミッドシップという概念を持っていたということ自体が驚愕です。こういった思想や概念が当時の高速テストやスピード記録の数々で世界一を塗り替えていったのでしょう。

ボンネットは、前ヒンジ。高速走行時にも不用意にボンネットが開いてしまわないようにとの配慮から生まれた前ヒンジですが、整備性は後ヒンジに比べると若干不利な気がします。

そしてエンジン。

ヤマハ製といわれる直列6気筒DOHC。この頃の直列6気筒はトヨタとプリンスでしか生産されていなかったようです。

トヨタ2000GTといえども、この頃のエキマニは鋳造製。

ディストリビューターから延びるプラグコードやゴム製の配管類は最新のものに変わっています。

三連キャブレターがまぶしい。キャブレターについている箱はエアクリーナーボックスではありません。エアバッファーの様なものです。
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刻印についても興味深い記載が多数。この個体は排ガス規制をクリアしたというステッカーが貼られています。

また、もう一方はメンテナンス基準を告知する刻印。かなり細かいことまで記載されています。

こちらは車体番号とエンジン型式の刻印プレート。この番号を元に車検証が作られます。

そしてこれがヤマハ製という多くの誤解を生む原因となった刻印。エンジンの生産と、車体の組み立て製造はヤマハの工場かもしれませんが開発は完全にトヨタが行い、製造管理もトヨタが行っています。
トヨタ車体がランドクルーザーを生産していてもトヨタ「車体」製とは言わないのと同じです。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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