今度のカムリは、モリゾー社長の思惑どおりだったのか【新型カムリのすべて/メカニズム解説を読んで】


日本で新型カムリが発表される前に、トヨタのモリゾー社長が「今度の日本仕様のカムリは、ハイブリッド専用です。走りも燃費もビックリするほど良いですから、どうぞご期待ください!」とコメントしていました。

従来のように、カムリが北米でファミリーカーの位置にある以上、日本で高級大型セダンを装っても売れないのは自明の理。仮にハイブリッドにしても、エコカー慣れした日本人が飛びつくとも思えません。モリゾー社長の自信がどこから来るのか、正直興味津々でした。
その答えは、北米カムリとは別に、高級カムリを造り分ける事だったのでした。ディーラーさんで、外車やクラウン、マークXからの乗り換えが多いと聞き、なるほどモリゾー社長の思惑通り、日本人の高級志向をキャッチアップしていると感じました。

カムリのメカニズムで興味深いのは、新旧の技術がメリハリをつけて採用されている事です。
まず踏襲した技術としては、プラットフォームが3代目に入るとの事。2トンまで対応できる懐の深いものだそうで、新型カムリでは「超ハイテン鋼」の採用等により軽量化と剛性アップを両立しています。
サスペンションも4輪ストラットを踏襲。こちらも軽量化や剛性アップ、ブッシュチューニング等、きめ細かく手が入っています。

またトヨタが誇るハイブリッドシステム「THSⅡ」は、コンバーターやコントロールユニットの一体化による省スペース化やEV走行時領域の拡大等のきめ細かい改良を重ねています。

一方新技術では、機械損失の低減を徹底した2500ccの新エンジンを採用しました。これには排気ガスを還流するEGRシステムに、水冷クーラーを装備しています。ガス温度を700度から120度まで冷やせるそうで、ポンピングロスの低減に大きく貢献しているとの事。これらにより、燃費26.5km/l(10.15モード)を達成してきました。

また地味ながら興味深いのが「エアロスタビライジングフィン」なるシロモノです。ドアミラーの基部ある小さな突起ですが、これによって発生する気流の小渦が、クルマの両側から押さえつける力を発生させ、操縦安定性を向上させるのだそうです。
「カー用品店のチューンパーツで、出てきたらいいなぁ~」とは、クルマ好きの独り言・・・。

カムリのモデルチェンジは、従来技術をきめ細かく改善して機能とコストを両立させると共に、要所では新技術を採用して新しい価値を造り出すものでした。まさに量販車の御手本のようなモデルチェンジだと、しみじみ感じ入った次第です。

(拓波幸としひろ)