震災の影響で幻となった“狭山工場製”フィットシャトルが存在する

販売好調のフィットシャトルのカタログを見ると、“グリーンオパール・メタリック”のボディカラーに関して「2011年10月生産開始予定」と注意書きが付けられています。

しかし、このボディカラーのフィットシャトル、なぜか公道を走っているのも見かけたことはありませんか?

目の錯覚? 光の加減? それとも、宇宙人のいたずら??

実は、本来なら今年秋以降の生産となるなる“グリーンオパール・メタリック”が、こっそりと市場に出回っているという情報をキャッチしました。

関係者による横流し??

いえいえ、そんなんじゃありません。

東日本大震災の影響を大きく受けて、当初の予定から3ヶ月遅れで正式発表されたフィットシャトル。その3ヶ月の間になにをしていたかといえば、生産を安定させるために安定した電力を求め、予定していた狭山工場(東京電力管内)から鈴鹿工場(中部電力管内)へ製造ラインを移したのはジドウシャ業界では有名な話ですね。

しかし、世の中には「鈴鹿工場」ではなく「狭山工場」で作られた“幻”のフィットシャトルが存在するんです。

その数約1900台。

実はそれらは、震災の前にすでに狭山工場で生産されていた分。
配送中や配送先で津波で流された約170台を除き、初期にオーダーした一部のユーザーのもとには狭山工場製が納車されているのです。

というわけで、冒頭の話。

正式には秋以降の生産となる“グリーンオパール・メタリック”も、狭山工場生産分に関しては実際にユーザーの元に届けられているわけですね。

すでにグリーンオパール・メタリックのフィットシャトルに乗っているみなさん、これはちょっとした自慢ですよ。

ちなみに、自動車雑誌などが試乗や撮影のためにメーカーから借りる車両も狭山工場製です。

(工藤貴宏)

詳細はコチラから>>>https://clicccar.com/2011/07/15/42606

 

 

 

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる