駐車料も入館料も遺跡入場もガイドも無料の三内丸山遺跡で縄文の暮らしを学ぶ【車中泊女子の全国縦断記】

三内丸山遺跡
三内丸山遺跡を歩く

2011年7月11日(日) 晴れ 32度 暑い!!!
そんな青森らしからぬ気温の中、三内丸山遺跡を見学してきました。
縄文時代前期中頃から中期末葉(約5500年前〜4000年前)の大規模集落跡で、縄文時代の遺跡は数あれど、ここは世界に誇る数々の発見をしている“日本一”と言っても過言ではない遺跡です。

 

縄文時代と言えば、わたしの時代の教科書では動物の毛皮を着て石斧や槍などで狩猟をし、海で魚貝を採り、原始的な生活をしていたといわれていました。
が、この三内丸山遺跡の発掘によって、それは大きく変わる事になります。

まず建築技術。
大型掘立柱建物跡が見つかり、総重量70トンものクリの巨木を支柱とした櫓(かどうかは未だ定かではありませんが)のような巨大な建造物を建てることができていたのは驚きです。
更に柱穴の間隔・幅・深さがそれぞれ4.2m、2m、2mで全て統一されています!

また、倉庫や冬の間の遺体安置所と思われる高床式の建物、お墓、貯蔵穴、粘土採掘穴、盛り土、道路などもあり、高度な生活様式を営んでいた事が判ります。

住居も復元されていますが、家屋の下の部分(地面〜柱)はある程度どうなっていたか解っていますが屋根の部分は想像でしかないということで、茅葺き、樹皮葺き、土葺きなどの方法で再現されています。
一部崩落の怖れあり立ち入り禁止ですが、ほとんどが内部に入ることができ、中はけっこう涼しいです。

それから衣服も、麻を1mmくらいの紐状に縒り編んだ布が発見され、毛皮を着ていたわけではないことが判りました。

三内丸山遺跡のゴミ捨て場は泥沼だったことから土器・甕(かめ)、土偶をはじめ色々な貝殻や魚の骨、ノウサギやムササビなどの動物の骨、人糞なども残っており、ずいぶんと縄文人の生活を解析できているようです。
そのお陰で、今までは縄文時代には農耕はされてなかったといわれていましたが、クリ・クルミ・トチなどの殻やエゴマ・ヒョウタン・ゴボウ・マメなどといった栽培植物も出土したことから、穀物なども栽培していたと想像されるそうです。

黒曜石、琥珀、漆器、翡翠製大珠なども多く出土したことから交易もしていたと判るなど、まったく“原始的”なんかじゃなかったってことですね。

併設の『縄文時遊館』内にも展示物がたくさんあります。
驚いたのは三内丸山遺跡って駐車場も無料、入館も無料、遺跡への入場も無料、ガイドも無料、展示物の写真撮影OK!これは嬉しい。
新たな発掘調査もしてますし「もう一度来ようかな」って気にもなりますよね。

(松本しう周己)

【リンク切れ、画像がすべて見られない方は】https://clicccar.com/2011/07/14/42237

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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