震災後の自動車市場③ハイブリッド人気に拍車をかけた意外な理由とは?!

中古車の価格が全国的に上がっていることは以前紹介しましたが、今回は値上がり傾向の人気車種ついて触れてみたいと思います。

とにかく人気はハイト系軽自動車。スズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴなどで、東北地方の需要がそのまま価格上昇に繋がっています。

次がコンパクトクラスで、ホンダ・フィットやトヨタ・ヴィッツ、日産マーチなどがその中心。少しでも安くという方々と、震災前と同じクルマが欲しい! という方々がこのクラスに集中するようで、一段と人気を高めています。

そして定番人気がトヨタ・プリウス。この説明はいらないかと思いきや、口コミなどもあって改めて全国的に人気が上がっているそうです。

今回被災地以外でもガソリン不足を経験したわけですが、買い物や子供の塾や習い事の送り迎え等でも困った方が多く、そんな歳に「ウチはハイブリッドで燃費も良いし、ガソリン残量も十分だから送ってあげる」なんてご近所さんに助けられた人も多かったそうです。

またガソリンスタンドでの給油渋滞で、自動でアイドリングストップしているところを見て、なんて話もあるそうです。

とにもかくにも震災でクルマに興味の無い方にも、ハイブリッドやアイドリングストップが一段と浸透したようです。「ウチはそんなに乗らないから」とか「もっと安いクルマで十分」と考えていたママさん達の心をつかんでしまい、結果「少々価格が高くてもウチもプリウスを買おう」となるわけですね。こうしたことから全国的に人気が高まっています。

プリウスは現行30型の登場で20型の中古車が大量に市場に出ました。一時期20型の人気は下がったようでしたが、現在は高くても売れると中古車販売店の看板になっています。

ちなみにフィット・ハイブリッドですが、まだ台数が少ないことから話題になっていないそうですが、新車価格とほぼ同等で取引されているそうです。

価格上昇率は個体によって異なることから一概に言えないわけですが、感覚的に10~20%は上がっているとか。

震災によって発売が延期されてしまったプリウスαやフィットシャトル・ハイブリッドの人気は、すでに約束されていると言えるかもしれませんね。

4月の新車販売では、生産の影響が大きく出たのか、首位がフィットで2位がワゴンR、3位4位はムーブとタント、プリウスは5位に後退していますが、新車中古車とも人気銘柄は一致しています。

(佐藤みきお)