日産リーフのリチウム電池で電気を効率化する住宅

住友林業の次世代住宅概念図
住友林業の次世代住宅概念図

昨年、住友林業と日産の合弁会社「4R]では日産リーフに搭載されるリチウムイオンバッテリーを住宅用に使用するという提案、「ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅」の研究開発の実証実験を発表しました。
http://sfc.jp/information/news/2010/2010-09-15-2.html

あまり知られていないことですが、電気自動車に搭載される電池の容量というのは家庭用の電気に換算すると、日産リーフで概ね二日分の使用量に相当します。私の家などは節電しまくっていますからほぼ三日分に相当します。
こういった容量の電池と太陽光発電を組み合わせ、再生可能エネルギーで電気を賄おうという試みが、実は震災前から本格的に取り組まれていたのです。

太陽電池というのはご存知の通り、昼間の太陽光を電気に変える発電方法ですが、リチウムイオンバッテリーに電気を蓄積しておけば、昼間に発電した電気を夜にも使えるわけでこれは非常に効率がいい。そして太陽電池が発電しにくい雨や曇りの日でもバッテリーの容量の範囲であれば自給自足の電気が使えるわけです。
将来的にはスマートグリッド配電網のコアユニットにもなることでしょう。

新車に搭載する新品の電池を家庭用にするということでもいいのですが、電気自動車といえども10年後には必ず廃車が出てきます。この廃車になった電気自動車からリチウムイオン電池を取り出し住宅用にリユースすると、安価にバッテリーを調達できます。

10年も使った電池で容量は大丈夫なのか?と心配される方も多いでしょうが、過去に発表された日産のデータによると容量減少は約2割。つまり10年後でも19kwhの容量があるわけです。

いま、太陽電池を個人でつけようとすると概ね4kwhで150万円から200万円。これに工事費が上乗せされますが、新築住宅で最初から作りつけてしまえば後付の工事費以上は安く上がることは間違いないでしょう。それに配線もきれいに処理してもらえますし。

この新しい提案の住宅はモデルルームとして神奈川県横浜市の「MM21横浜ホームコレクション」に展示されているようなので、実際に取材してレポートしてきたいと思います。

 

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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