三菱のEV第二弾となるミニキャブMiEVの受注が4月1日から開始されました。ミニキャブMiEVは商用ワンボックスバンのミニキャブにi-MiEVのパワートレインを組み合わせた商用車なのですが、これが意外なほど良くできていました。
ワンボックの軽自動車は前席の下や車体中央にエンジンを搭載するタイプが多いので、振動やエンジンノイズがダイレクトに車内に伝わってしまうものですが、EVはモーターの振動がほとんどなく、モーターの音も静かなので大幅に快適性が高まっているのです。これだけ快適性が高ければ、配達で長時間乗った時の疲労度がだいぶ違ってくるはずです。
走行音も静かなので、夜間や早朝に住宅地で配達を行う運送業にもピッタリです。スペアタイヤを車内に置くことになりますが、荷室スペースがノーマルのミニキャブと変わらないのも美点です。
発進直後から最大トルク20.0㎏-mの力強い加速を味わうことができ、重量物であるリチウムイオンバッテリーを床下に搭載しているので、軽ワンボックス独特の重心の高さが緩和されているのも魅力。リヤの足回りもi-MiEVと同じ仕様に変更されているので、空荷で走った時も軽バン特有のピョコピョコした動きはありませんでした。この乗り味なら、十分に乗用車としても使えるでしょう。
価格も商用バンがベースとなったことで現実的な価格になっています。ミニキャブMiEVにはユーザーの使用状況に合わせて2種類のバッテリー容量が用意されていて、10.5kWh仕様(一充電走行距離100㎞)が補助金利用で約170万円、i-MiEVと同じ16.0kWh仕様(一充電走行距離150㎞)で約205万円となっています。
急速充電や100V充電への対応やリヤシートがオプションになったりはしていますが、この価格なら長く乗れば車両本体価格が高い分の元が取れそうです。こんなに気持ち良く走れる軽ワンボックスは初めての体験だったので、ちょっと欲しくなってしまいました。
私が乗ったのはプロトタイプで、市販バージョンは内装が変わるようなので、もっと良くなりそうです。実際のデリバリーは年末ぐらいになる模様。一度はEVを所有してみたい人にはおすすめです。
(岡島裕二)