読者のみなさん、最近ミニカーショップに足を運んでますか? 足が遠のいてるな~、と思うようなら、ちょっとのぞいてみることをオススメします。
そして、リアリティに驚いてください!
近年のトレンドが、リアリズムを追求になってることを
目にするとびっくりしますよ。
昔から、レーシングマシン等は、実車に寸分たがわぬディテールを再現するものですが、この高等テクニックが、“試作車”へと活かされているんです。
そのままでは世に出ることのなかった“幻”のモデルが、完ぺきに再現されているんです。
たとえばコレ
GT-Rの発表前のプロトタイプ、ボディデザインを隠すためのカモフラージュがそのまま再現されています。それも、かなりナマナマしく!
○○年の○月○日○時頃、ニュルブルクリンクを走った○○○○のテストカーの○号車(ドライバーは○○○)がすべて、特定できるくらいの作りこみです。
それもそのはず、自動車メーカーがこぞって新型車テストに使うドイツのニュルブルクリンクは、同時に新車スクープの“聖地”でもあります。
そこで撮られた写真や映像が、世界中の自動車メディアに掲載されているのはご存じのとおり。
この“豊富”な“資料”をベースに、細かなディテールを再現しているんです。
シワまで再現されたボディカバーや、関係者だけがわかる車両番号、そして実際に装着されていたアルファベットと同じナンバープレート、無線のアンテナ等々……。
本来、秘匿するための数々のカモフラージュを正確に再現することで、“歴史の生き証人”的なオーラの元になってます。
これらすべて、それぞれ自動車メーカーの了承を取ってるんだから恐れ入ります(日産のように、オフィシャルWEBショップで売ってたケースもありました)。
「ひとつの型代で、何通りも作りわけられるので効率がいい」という模型メーカーの事情も手伝って、こうした“企画モノ”はこれからも増えていくでしょう。
こちらはGT-Rコンセプト。ただし、ニスモフェスティバル限定品。どこが違うかというと……サイドウインドに「PLEASE DO NOT TOUCH」のデカールが貼られています。そう、モーターショー出展車両を再現してるんですね。細かい!
こちらは某ミニカー誌の限定モデル。黒いボディカラーだけではなく、シマウマのように白いテーピングが貼られている(高速走行時にボディに貼りついたカバーから、本当の形がわからないようにするためだとか)。こちはら実際にニュルを走ったモデルを再現したもの。
こちらはトヨタMR2・222D。ノーマルとまったく違う姿カタチなのは、幻になってしまったラリーのカテゴリーに出場するために製作された試作車だから。こちらも、実際に現存するものを完ぺきに再現したモデル。
どのスケールモデルメーカーも考える方向は似通うようで、この222Dは、複数メーカーからほぼ同時にリリースされてました。
そのほか、京商からは、GT-RやNSXの、ニュルブルクリンクのテストカーのシリーズものもリリースされてます。(BOXにはニュルの森の写真が印刷され、雰囲気を高めています)
実在する地にかぎりなく近いシチュエーションが登場するアニメ作品がウケるように、ミニカーの世界もリアル感が求められているんですねぇ……。
(畑澤清志)