トヨタ社内の有志団体TES(トヨタ技術会)の「欲しいクルマアンケート」で要望の多かった「手ごろなスポーツカー」を、会員12人で具現化したライトウエイFRスポーツがこの「TES CONCEPT T-SPORTS」です。
今回詳しい技術解説をしてくれた北川さんです。つなぎを着ていたのでてっきり作業ラインの方かと思っていましたが、博士号をもつ研究者でした!(ゴメンナサイ)
このクルマの軽量FRスポーツを実現するために、3つのそれぞれ違うクルマを組み合わせて基本コンポーネントが作られています。まずフロントセクションはなんと「トヨタキャミ」!キャミってコンパクトクロカンですよね。コンパクトな縦置きエンジンのクルマはコレしかなかったそうで、高さ合わせに苦労したそうです。ちなみにエンジンはキャミに搭載されているそのままのK3でスペックは1.3L、110馬力だそうです。
中央のセクションはコペンを使用しています。オープンカーがベースだけに、太いサイドシルで剛性もよさそうです。
そしてリアのセクションはアルテッツァです。FRで独立懸架のモデルはやはりアルテッツツァしかなく、やむなくトレットを狭めて流用したそうです。
さすが「トヨタ技術会」、妥協がありません!
ボディはフロント周りは一体成型です!こんなでかいFRP成形パネルなのにチリぴったりでキャラクターラインもネムくなく、端正です。良い仕事してますね~。ヘッドライトまわりも複雑な造形を見事に実現しています!
内装のカーボンは残念ながらカッティングシートだそうで・・・
リアのコンビネーションランプはコペンをそのまま流用していますね。センター縦に配置したデュアルマフラーはワンオフだそうです。
最後にツナギを着た説明員の北川博士に、現在研究している分野をインタビューしましたが、企業秘密ということで教えてもらえませんでした。新素材部品グループの主任ということでなにやら外装パネルの新しい素材の開発に取り組んでいるようです。(たぶん)とくにカーボンに代わるような「軽量で、剛性感があり、安価に生産できる」素材で、実現されればLF-Aのようなスーパースポーツも、もっと安く作ることができるそうです。(たぶん)北川さんがんばってくださいね。
そんなわけで、トヨタのすばらしい一面を垣間見ることができたクルマでした!
(テングダンディ)