【クルマの軽量化技術展】LEXUS LFAが安いと思えるようになる部品を発見しました。









最高速度325km/h、o-60mph(約100km/h)加速3.6秒(2名乗車時)、最小回転半径6.1m(結構でかい?)と公式に発表されているレクサスLFAですが、販売台数500台、日本への割り当て165台、そのお値段は3750万円です。

それが安いか高いかは人それぞれの経済状況にもよる、というのは買う側の考え方です。作り手側、つまり生産される商品として見るとまったく違った結果になるかもしれません。もちろん私の経済状況からは高いと思っています。

で、クルマの軽量化技術展で発見した埼玉プレス鍛造株式会社のサスアームから、LFAを構成パーツのこだわりっぷりがよくわかりました。

これがLFAのアルミ鍛造サスアーム類です。

で、こちらがかつてのNSXのもの。

どちらも自動車のパーツとしてかなり贅沢なものですが、よーく見るとLFAのものは側面部分がキレイに光っています。

NSXのものはそこまで磨かれていません。

写真では微妙な違いですが、実物はひと目で違いはわかります。お話をお聞きした埼玉プレス鍛造の藁科さんによると、「鍛造の行程で上下から圧力をかけた合わせ目の部分はどうしてもほんの少しだけれど凸凹ができる。通常はまったく問題ないですが、可能性としてはずーっと使っているとその凹から応力集中によって破断の原因と考えられなくはない。それできれいに加工しています。まあ、普通はまずありえないんですがね」とのこと。

もちろん、テストを重ねて折れてしまったからこのような仕様にしたわけではなく、いわばあとやれることはないか?と重箱の隅を探しまくった結果ともいえる万全の処理のようです。

当然、この行程も部品単価にも反映され、車両価格の一部となるはずです。

さらに、LFA用のサスアームは10年前から金型を作って試行錯誤を繰り返してきたそうなんです。

それを考えると、たった500台作って売るために(例え追加で50台を生産しても)とても元が取れる気がしません。

そう思うとLFAの3750万円、お安く感じませんか。もちろん、私には買えないんですが・・・。

(小林和久)

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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