【週刊クルマのミライ】SUBARUが7代目レガシィを発表。大型ディスプレイありきのコクピット

【パッと見はキープコンセプト。中身は大刷新の新型SUBARU レガシィ】

●プラットフォームは新世代、2.4Lターボエンジンを新設定

初代レガシィが誕生したのは、日本車ビンテージイヤーと呼ばれる「1989年」。つまり、2019年は誕生30周年の記念すべき年となります。そんなレガシィの7代目となる最新型が、2019シカゴオートショーにて世界初公開されました。

新型レガシィ(セダン)のボディサイズは全長4840mm × 全幅1840mm × 全高1500mm。現行型のレガシィB4のボディサイズが4800mm × 1840mm × 1500mmなので、全長が少々伸びただけとなっています。モデルチェンジごとにボディを拡大することが多いですが、レガシィは扱いやすいボディサイズをキープしているといえそうです。

ホイールベースも同じ2750mmですから、取り回しの面でも同等レベルの扱いやすさが期待できます。上級グレードのタイヤサイズが225/50R18となっているのも変わりありません。

こうしてシャシーやボディの数値を見ていくと、まるでビッグマイナーチェンジのように思えてくるかもしれませんが、そうではありません。すでにインプレッサやSUBARU XV、フォスターが採用している新世代の「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」を採用しています。キープコンセプトながら、メカニズムとしては一新したといえます。

エンジンについてはFA24型 2.4L水平対向4気筒DOHC 直噴ターボとFB25型 2.5 L水平対向4気筒DOHC直噴の2種類。北米仕様にラインナップされていた6気筒エンジンのダウンサイジングターボといえるFA24は、スバルSUVのフラッグシップである「アセント」(国内未発売)に続く採用です。もちろん駆動方式は四輪駆動、スバルのコアテクノロジーであるシンメトリカルAWDは、新型レガシィにもしっかりと受け継がれています。

●11.6インチFull HD縦型ディスプレイが演出する未来

スバルのコアテクノロジーといえば先進安全装備も忘れることはできません。新型レガシィでは運転支援システム「アイサイト」を全車に標準装備、北米仕様としては初めて車線中央維持制御・先行車追従操舵制御(アイサイト・ツーリングアシスト)を採用したこともニュースでしょう。

また、日本ではフォレスターの上級グレードにのみ装備される「ドライバーモニタリングシステム」も、スバルのフラッグシップであるレガシィには備わることが発表されています。これによりドライバーの脇見、居眠りを推定して注意を促すことで安全運転をサポートするだけでなく、シート位置やエアコン設定温度などを個人の設定に自動調整するなどのおもてなしも期待できます。

そしてなにより、新型レガシィではコクピットの先進性が大きくアップしています。オーソドックスなセダンという印象もあるレガシィですが、インパネ中央には11.6インチの縦型ディスプレイを配置。ナビやオーディオに関するインフォテイメントとして、エアコン設定温度なども表示するということです。android AUTO、Apple CarPlayといったスマートフォンとの連携も可能となっています。

日本においてはスバルは全車的にメーカーオプション(ライン装着)のナビシステムから柔軟性の高いディーラーオプションナビを装着することにシフトしていましたが、新型レガシィにおいてはライン装着を前提としたインフォテイメントシステムとなりそうです。大型ディスプレイに情報を集約することにより、ダッシュボード上に置かれていたインフォディスプレイが消えているのも変更点です。アイサイトという運転支援システムにふさわしい未来感とフラッグシップらしい落ち着きのあるインテリアは新しいスバルを感じさせます。

北米における新型レガシィの発売時期は2019年秋頃とされています。おそらく、それまでには日本仕様の発売に関する情報も発信されることでしょう。日本仕様でも、この大きな縦型ディスプレイが装備されることに期待です。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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